処方せん

リフィル対応指針を作成~「薬局間情報提供書」導入

薬+読 編集部からのコメント

この4月からリフィル処方箋の運用がスタートしたことを受けて、上田薬剤師会(長野県)では、薬局におけるリフィル処方箋受付時の対応など留意点を示した「リフィル処方箋対応ガイドライン」を作成。2回目以降の調剤で利用する薬局が1回目と異なることを想定したうえで、お薬手帳に「リフィル調剤回数」など最低限の情報を記載するよう定めたほか、薬局間で患者情報・指導内容を書面で提供するための様式として「リフィル処方箋薬局間情報提供書」が導入されています。

上田薬剤師会は、今月からリフィル処方箋の運用がスタートしたことを受け、薬局におけるリフィル処方箋受付時の対応など留意点を示した「リフィル処方箋対応ガイドライン」を作成した。2回目以降の調剤で利用する薬局が1回目と異なることを想定し、お薬手帳に「リフィル調剤回数」など最低限の情報を記載するよう定めたほか、薬局間で患者情報・指導内容を書面で提供するための様式として「リフィル処方箋薬局間情報提供書」()を導入する。かかりつけ薬局以外の薬局でリフィル処方箋を使用しても、薬剤師が適切に対応できるよう地域内で体制を整備する。

リフィル処方箋は、上限3回まで繰り返し処方箋を利用できる制度で、2022年度診療報酬改定で導入が決まった。上田薬剤師会はリフィル処方箋に対応する薬剤師の役割と責任が大きくなる中、昨年12月にリフィル処方箋対応ガイドラインのたたき台を作成。このほど初版を取りまとめ、会員薬局に周知した。

 

指針では、初回の調剤の場合に、併用薬や相互作用などの薬歴管理と処方監査、次回来局日や有効期限などリフィル処方箋の使い方の確認、リフィル回数の確認などを行うほか、2回目以降で利用する薬局が1回目の薬局と異なることを想定し、お薬手帳に「リフィル調剤回数」を記載するよう求めている。お薬手帳には薬局の連絡先(住所・電話番号)を必ず記入することを盛り込んだ。

 

2回目、3回目の場合は、まず保険証変更の有無を確認後、必要に応じて医療機関での血液検査等の情報をもとに薬局でも血圧や血糖値、HbA1cなどの測定を実施すること、リフィル処方箋による治療を中止し受診勧奨すること、薬学的見地から主治医に情報提供することなどを規定した。

 

かかりつけ薬局以外の薬局でリフィル処方箋を受け付ける場合を想定し、薬局間が情報共有できる仕組みも整備する。リフィル処方箋を患者が利用する薬局が複数ある場合には、薬局間で患者情報・指導内容等を書面で情報提供することとし、その運用に当たって「リフィル処方箋薬局間情報提供書」を作成した。

 

薬局間情報提供書は、患者の氏名や性別、生年月日の情報のほか、服薬情報として処方医療機関名や直近のリフィル調剤日、併用薬剤、調剤方法、服薬状況・指導内容、アレルギー・副作用症状、残薬調整の実績などの項目に必要事項を記入するようになっている。

 

他の薬局からリフィル処方箋を利用する患者の情報提供を依頼された場合は、速やかに書面で情報提供を実施する。リフィル処方箋かお薬手帳で2回目以降の受付であることを確認し、必要と判断される場合は、直近の受付薬局に速やかに連絡し、患者情報を書面で入手することとした。そこで得られた情報は患者の薬歴に保存する。

 

指針作成に携わった薬局部担当理事の飯島裕也氏は「リフィルを普及させることが目的ではない。地域住民がリフィルを求めた場合に、地域の薬局・薬剤師が対応し、薬物治療の質を確保できるようガイドラインを作成した」と質の確保を強調する。

 

薬局間情報提供書の導入については「リフィル自体はかかりつけ薬局で使われるのが好ましいが、かかりつけ薬局以外の薬局でリフィル処方箋が使われるケースが十分考えられる。お薬手帳で最低限の情報を確認し、情報提供書を用いることで薬局同士が情報共有する体制を構築できるようにしたい」と話している。

 

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出典:薬事日報

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