医療

薬剤師のテレワーク可に~薬局外で服薬指導認める【厚生労働省】

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省は9月30日、医薬品医療機器等法施行規則を改正しました。薬局で調剤を行う人員を1人以上配置、薬局が開局している時間帯に限定して実施などの要件を満たすことで薬剤師のテレワーク(自宅など薬局外でオンライン服薬指導を行うこと)が同日から可能となり、働き方改善や患者さんの利便性向上が期待されます。

「1人薬剤師」は不可
厚生労働省は9月30日、医薬品医療機器等法施行規則を改正し、薬剤師の自宅など薬局外でオンライン服薬指導を行うことが同日から可能となった。薬局で調剤を行う人を1人以上配置して相互に連絡が取れること、薬局が開局している時間帯に限定して実施することなどを要件に設定。今回の改正により、薬剤師のテレワークを可能とする働き方改善や患者の利便性向上につなげたい考えだ。

 

薬機法施行規則では、オンライン服薬指導の具体的な実施要件を示している。今回の改正により、薬局薬剤師によるオンライン服薬指導について、「患者の求めがある場合または患者の異議がない場合は、薬局以外の場所でも可能」とした。

 

条件として、薬局以外の場所でも調剤を行う薬剤師と連絡が取れること、対面による服薬指導と同程度に患者のプライバシーが配慮されていることを求めた。オンライン服薬指導開始後、患者が対面による指導への移行を求めた場合、指導を担当した薬剤師や他の薬剤師が対応可能である必要があるとした。

 

調剤の変更が生じた場合などを踏まえ、薬局で調剤を行う薬剤師と相互に連絡が取れる必要があるとし、薬局以外で指導可能な時間帯は薬局が開いている時間帯で、薬局内に1人以上の薬剤師が調剤を担当していることを求めた。

 

薬局以外で指導を行う薬剤師の雇用形態に特段の制限はないが、実際に薬局で調剤業務を担っている人を想定している。

 

今回の改正理由について、医薬・生活衛生局総務課の伊藤建企画官は「薬剤師の働き方改革推進、デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展を踏まえ、環境整備を行ってオンライン服薬指導を次のステップに進める必要があった」と説明。今後の見通しとして「担当薬剤師が薬局にいなくても、かかりつけ薬剤師として継続的に見られるので、患者にとっての利便性も向上する」との見方を示した。

 

これまで薬局薬剤師がオンライン服薬指導に対応する場合、勤務する薬局以外の場所で指導を行うことは認められていなかった。

 

しかし、薬剤師の働き方改革を進めるため、6月に閣議決定された規制改革実施計画では、薬剤師の自宅等におけるオンライン服薬指導に関して「実施可能な薬剤師、患者、対象薬剤等を限定せずに薬剤師自身が可能と判断する場合は可能」として、具体的内容の検討を進めた上で年度内に実施する方針を明記。

 

同計画を踏まえ、厚労省の「薬局薬剤師の業務および薬局の機能に関するワーキンググループ」で検討した結果、薬局以外の場所でのオンライン服薬指導を認めることを議論の取りまとめに盛り込んでいた。

 

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出典:薬事日報

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