薬剤師会

キム副会長「韓国で専門薬剤師法制化」~協議進展、来年実現見込む【韓国病院薬剤師会】

薬+読 編集部からのコメント

韓国病院薬剤師会のキム・ジョンテ首席副会長(江東慶煕大学校病院薬剤室長)が、韓国における専門薬剤師制度の法制化実現に期待感を示しました。韓国では同会が10領域の専門薬剤師制度を所管しており、制化施行は来年から進められます。法制化後は専門薬剤師の関与による医療の質向上を示すエビデンスが増え、保険点数での評価が高まると見込んでいます。

韓国病院薬剤師会のキム・ジョンテ首席副会長(江東慶煕大学校病院薬剤室長)は、本紙の取材に応じ、専門薬剤師制度の法制化実現に期待感を示した。韓国では同会が10領域の専門薬剤師制度を所管している。法制化施行は来年から進められる予定。法制化が実現すれば、専門薬剤師の関与による医療の質向上を示すエビデンスが増え、その結果として保険点数での評価が高まると見込んでいる。

同会が所管する専門薬剤師は小児科、内分泌、心血管疾患、老人など10領域に達する。韓国の病院薬剤師は、日本と同様に調剤や注射薬の調製、病棟業務、治験薬管理、DI業務などを担当。患者中心のサービスを提供するため、専門資格を持った薬剤師によるチーム医療への参画を推進するなど、専門性の強化に取り組んでいる。

 

専門薬剤師の法制化施行は、来年から始まる予定。現在、同会と薬剤師会関連団体が政府と共に領域選定を協議しているため、展開は早まっている。

 

キム氏は「法制化が実現すると、各領域で専門性を有する薬剤師が関与した結果、どれだけ医療の質が向上したのかを示す研究結果が増えるだろう。エビデンスを広くアピールし、保険点数に結びつくことを期待している」と語る。

 

キム氏はこのほか、韓国でも高齢化の進展に伴い多剤服用が問題になっていることから、国主導のポリファーマシー管理事業に参加していることを明らかにした。

 

韓国の国民健康保険公団は、10種類以上の薬剤が処方されている患者に、医師や薬剤師、看護師らが関与して服用薬剤を減らす試験的な事業を実施した。事業に参加した病院に経済的なインセンティブがついたが、今後は診療報酬での評価を得る活動に取り組みたいという。

 

同会は1981年に発足。850病院、4700人の薬剤師を会員として抱える。主な事業として、病院薬剤師業務改善と人材開発、診療報酬の改善、専門薬剤師の養成と制度の改革、医療機関認定基準の改善や支援、各種学術活動を実施している。

 

韓国では2000年から医薬分業が始まった。09年には薬学教育が4年制から6年制に改編され、10年から病院薬剤師会主導の専門薬剤師制度が始まった。

 

キム氏は「日本より遅く始めたが、試行錯誤することなく制度の定着が可能だったのは、韓国よりも先に6年制や専門薬剤師制度などを施行した日本をはじめとする先進諸国のシステムを十分に研究した結果と考えている」と話している。

 

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出典:薬事日報

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