医療

来年4月から定期接種~9価HPVワクチン【厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会】

薬+読 編集部からのコメント

11月8日、厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会は、MSDの9価HPVワクチン「シルガード9」について、来年4月1日から定期接種を開始する方針案を了承しました。2価、4価の接種が完了していない人が9価を接種する場合については、同一種類で完了することを原則としつつ、希望者は9価の接種も可能としています。詳しくは厚労省HPを確認しましょう。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_127713.html

厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会は8日、MSDの9価HPVワクチン「シルガード9」について、来年4月1日から定期接種を開始する方針案を了承した。2価、4価の接種が完了していない人が9価を接種する場合については、同一種類で完了することを原則としつつ、希望者は9価の接種も可能とした。

同部会は、9価ワクチンを定期接種化する方針を既に決めていたが、この日の会合では、積み残していた論点である▽定期接種開始時期▽接種方法・接種期間▽2価または4価との交互接種▽キャッチアップ接種における取り扱い▽2回接種――を検討した。

 

厚生労働省は、来年4月時点における9価の供給量について、MSDが「定期接種を開始するに当たっての十分な供給が可能」との見通しを示しているとして、同1日から開始できるよう準備することを提案した。

 

2価または4価との交互接種については、現時点での9価との互換性に関するカナダにおける臨床試験の結果などから「一定程度の免疫原性と安全性が示されたエビデンスが存在する」としたが、世界保健機関(WHO)が「全て同じワクチンで接種するようあらゆる努力がなされるべき」との見解を示していることも踏まえ、「同じ種類のワクチンで接種完了することを原則としつつ、2価または4価を未完了の人は医師と相談した上で9価を接種することも可能」とした。

 

積極的勧奨の中止期間に接種機会を逃した女性向けに2価または4価を接種するキャッチアップ接種における取り扱いに関しても、交互接種と同様に、同一種類のワクチンで完了することを原則としつつ、未完了の人が医師と相談した上で9価も接種できるとした。また、過去に1回接種した人における9価の2回目と3回目の接種間隔は3カ月以上空けることとした。

 

接種方法と接種期間に関しては、9価の添付文書内容が4価と同様として、9歳以上の人に計3回、2回目は初回の2カ月後、3回目は6カ月後に注射し、1年以内に接種終了するとした。

 

一方、2回接種については、MSDが承認に向けて申請中として、承認後速やかに2回接種の導入に向けて議論することとしたが、委員からは実現を求める声が相次いだ。

 

坂元昇委員(川崎市健康福祉局医務監)は「接種回数が増えれば副反応の回数も増し、市町村の不要な出費も増加するため、1日も早く導入してほしい」と求めたほか、伊藤澄信委員(国立病院機構本部総合研究センター長)も「2回で済むのに3回接種の枠組みを残すのは手放しで喜べない」と指摘した。

 

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出典:薬事日報

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