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「カロナール」が限定出荷、一部製品は出荷停止【あゆみ製薬】

薬+読 編集部からのコメント

7月29日、あゆみ製薬は、解熱鎮痛剤「カロナール」(一般名:アセトアミノフェン)について、錠剤、原末、坐剤小児用、細粒50%に関しては限定出荷、細粒20%とシロップ2%に関しては出荷停止を発表しました。新型コロナウイルス感染症「第7波」で需要が想定を大幅に上回り、感染拡大状況次第では今後の安定供給ができなくなるという判断によるもので、アセトアミノフェン製剤は一般用医薬品にもあるため影響が懸念されます。

あゆみ製薬は7月29日、解熱鎮痛剤「カロナール」(一般名:アセトアミノフェン)の錠剤のほか原末、坐剤小児用、細粒50%の限定出荷と、細粒20%とシロップ2%の出荷停止を正式に発表した。同剤の全て剤形と規格に及んだ。

 

限定出荷品の通常量の出荷を続けてはいるが、新型コロナウイルス感染症「第7波」で需要が想定を大幅に上回り、感染動向の予測ができない中で、このまま続くと安定供給ができなくなると判断。注文に対する出荷数量を減らしたり、既に在庫がない製品は出荷を一時停止した。

 

アセトアミノフェン製剤は一般用医薬品にもあり、影響が懸念される。卸関係者によると、既に関連製剤の在庫は非常に厳しい状況。都内のドラッグストアでは他の製品を提案するなどの対応を始めている。

 

限定出荷の開始日は、錠剤は27日から、他の剤形は出荷停止を含め29日からで、医療機関に伝達を始めた。終了予定は感染動向が予測できないとして、未定とした。代替品は、当該製品の需要に影響を及ぼすとして明示しなかった。

 

錠剤の限定出荷開始から2日後の発表となったが、同社は「当初、医薬品卸への案内と同時に医療関係者への案内を準備していたが、厚生労働省から代替品についての指導を受け、調整に時間を要することになった。医療関係者の皆さんには迷惑をかけたことをお詫びする」としている。

 

同社によると、新型コロナウイルス感染症「第7波」により、7月第3週には注文が前年同月と比べ3倍を超え、その後も2倍を超える状況が続いた。そこで厚労省や関連メーカーとの調整を開始し、29日の発表に至った。

 

現場の影響について、都内ドラッグストア関係者は「まだ影響は出ていないが、これから『カロナール』のほか、一般用のアセトアミノフェン製剤、他の解熱鎮痛剤を早く入れてくれという声が従業員から上がってくるだろう。周辺の調剤薬局では『カロナール』がないとの声を聞いている。医師は他の解熱剤を使ったり、一般用のかぜ薬で対処するよう言っているようだ。われわれも一般用のかぜ薬を勧めたりしている。第6波では注文し過ぎて製品を余らせてしまい、今回はそうならないようにしたい」と話した。

 

コロナ禍では、過去に一部の一般用アセトアミノフェン製剤が長く欠品したことがあるが、卸関係者は「解熱鎮痛剤がようやく行き渡り始めたところに第7波が来た。既にいくつかのアセトアミノフェン製剤は通常の受注はできなくなっている。解熱鎮痛剤全般の在庫が厳しくなっており、代替品の提案もしづらくなってきている」と現状を説明した。

 

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出典:薬事日報

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