医療

学科統合で「コース制」導入~来年度から教育体制見直し【東京薬科大学】

薬+読 編集部からのコメント

東京薬科大学(東京・八王子市)は2024年度より、臨床実践力と研究力を備えた薬剤師の養成に注力する目的で医療薬学科、医療薬物薬学科、医療衛生薬学科の3学科を「薬学科」の1学科に統合します。学生が多様な選択科目や自由科目を選べる「コース制」を導入し、希望者には柔軟なプログラムを用意し、上乗せの学習を可能にすることで多様なニーズに応える考えです。また男女別入試も廃止となります。

東京薬科大学は、臨床実践力と研究力を備えた薬剤師の養成に注力するため、2024年度から医療薬学科、医療薬物薬学科、医療衛生薬学科の3学科を「薬学科」の1学科に統合し、学生が多様な選択科目や自由科目を選べる「コース制」を導入する。希望者には柔軟なプログラムを用意し、上乗せの学習を可能にすることで、学生の多様なニーズに応えたい考え。そのため、男女別入試も廃止する。薬学部と生命科学部の連携を強化し、創薬に関する教育研究体制も再構築する。

 

創薬強化へ人材養成も

東薬大は、24年度入学生から適用される改訂薬学教育モデル・コア・カリキュラムに対応するため、教育体制を大きく見直す。最大の目玉となるのは、多様な個性や能力を伸ばす教育システムを構築するため、新たに導入するコース制だ。

 

全大学共通のコアカリキュラムに加え、学生が自分の将来の姿を描きながら多彩なコース、プログラムを選び、自由にカリキュラムをアレンジできるのが特徴。一方で、コース、プログラムを履修せずに、コア部分だけの受講も可能とし、より柔軟度を高めた。

 

具体的には、「臨床薬剤師研修コース」「創薬基盤科学研究コース」「感染制御専修コース」「がん専門プログラム」「漢方・生薬専門プログラム」「香粧品科学専門プログラム」「医療データサイエンス専門プログラム」などが用意されており、一定の水準を満たした学生には修了証を発行して質を保証する。

 

その中で大きな特徴は、低学年から研究室に所属できる“薬剤師研究者”養成向けの「未来薬学創造研究コース」を設置することにある。

 

山田純司副学長は、「学生のキャリアプランを考えた時に、自分が6年間で進んでいこうとしている道をサポートできるよう多様な内容を用意したい」と狙いを話す。東薬大のスケールメリットを生かし、多くの研究室と教員でコース制を後押ししていきたい考えだ。

 

また、臨床薬学の教育・研究拠点として、「臨床医療薬学センター」を整備する。臨床薬学研究部門、臨床薬学教育部門を設置し、シミュレーション教育などの教育プログラム開発や薬剤師を対象とした臨床研究の支援に取り組む。山田氏は「病院や薬局などの職場で働きながら研究することを支援し、薬剤師のスキルアップにつなげたい」と意欲を示す。

 

一方、今年度から薬学部と生命科学部の連携を強化し、創薬に関わる教育研究体制を再構築する。新たに「未来創薬人養成プログラム」を開設し、細胞医療、抗体医薬、核酸医薬などの新たなモダリティに対応した人材養成を目指す。

 

東薬大は、私立薬科大学の中で薬学部と生命科学部の2学部を併設しているのが特徴でもある。三巻祥浩学長は「平塚明前学長の路線を継承して、ニューモダリティを創出する生命科学部の基礎研究、それを医薬品にしていく薬学部のノウハウを強力に連携させ、全学を挙げて創薬に取り組んでいく」と強調。「より新しい時代の創薬に関わる人材を育てる仕組みを作っていきたい」と展望している。

 

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出典:薬事日報

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