医療機器

HAE、デジタルで支援~AI問診や患者アプリ登場

薬+読 編集部からのコメント

HAE(遺伝性血管性浮腫=身体のあらゆる場所で浮腫が発生し、喉で起きた場合は呼吸困難を引き起こす希少疾患で指定難病)の早期発見・診断、患者さんの治療生活をサポートするデジタルソリューションが増えてきました。浮腫の発症抑制薬「タクザイロ皮下注」を製造販売する武田薬品が相次いで発表しているほか、同薬「ベリナート皮下注用」を製造販売するCSLベーリングは疾患管理アプリをリリースしています。

身体のあらゆる場所で浮腫が発生し、喉で起きた場合は呼吸困難を引き起こす希少疾患で指定難病の遺伝性血管性浮腫(HAE)の早期発見・診断、患者の治療生活をサポートするデジタルソリューションが増えてきた。浮腫の発症抑制薬「タクザイロ皮下注」を製造販売する武田薬品が相次いで発表しているほか、同薬「べリナート皮下注用」を製造販売するCSLベーリングは疾患管理アプリをリリースした。新薬開発に加え、診断や治療管理支援まで事業領域を広げる製薬企業が増えているが、これらの取り組みから垣間見ることができる。


武田は昨年4月、ヘルステックスタートアップの「Ubie」(ユビー)とHAEの早期発見に向けた協業を開始したと発表した。ユビーが提供する生活者向けサービス「AI受診相談ユビー」、医療機関向けサービス「AI問診ユビー」と武田が持つHAE領域の知見を生かした取り組みだ。

 

受診相談は生活者向けで、スマートフォンやパソコンから質問に回答し、症状や受診先を調べることができる。AI問診は医療機関向けで、HAEを含む血管性浮腫の関連症状の回答があると関連情報を表示し、診察をサポートする。同月には、ヘルスケアスタートアップのエクスメディオと共同開発したHAEの早期診断支援サービスの開始も発表した。

 

今月1日には、注射の投与タイミングを知らせる機器の提供を始めた。投与後の薬剤のシリンジや針をまとめて廃棄できる「デジタル廃棄ボックス」と呼ぶもので、設定した投与タイミングをショートメールで知らせ、投与後はボックスに廃棄、次回投与日と治療実施率を表示する。看護師の専任ケースマネージャーの患者支援プログラムの一環として導入した。

 

さらに7日には、把握が難しかった患者のQOLを可視化する「AE-QoLビジュアライザー」を医療関係者向けサイトコンテンツに導入したと発表した。

 

浮腫の発生に不安を感じていることも少なくない患者の状態を、患者への質問の回答、それをもとに主治医が必要項目を記入することで、患者の気分や恐怖、栄養などのスコアを時系列にグラフ化し、患者と主治医が共通認識を持って治療を行うことを支援する。

 

CSLベーリングも1日、患者が通院や投薬スケジュールの管理、発作の症状を記録できる疾患管理アプリ「HAE日誌」を開発し、提供を開始したと発表した。医療従事者と患者の間で発作回数や重症度の認識についてギャップがあることから、日誌に記録された状況を医師に伝えたりするのに用いる。同アプリも通院日設定、投薬予定日設定とその通知をする機能を持つ。

 

昨年2月には、デジタル技術による早期診断や啓発活動を行う「遺伝性血管性浮腫診断コンソーシアム」が設立されており、武田薬品やCSLベーリング、鳥居薬品、ヘルスケアスタートアップ、IT企業などが参加している。

 

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出典:薬事日報

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