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Aβ蓄積状態、血液から測定~検査試薬30日に発売

薬+読 編集部からのコメント

アルツハイマー病の特徴の一つである脳内のアミロイドベータ(Aβ)の蓄積状態を血液から測定する検査試薬「HISCLβ-アミロイド1-42試薬」「同1-40試薬」がシスメックスより6月30日に新発売されます。検査内容としては新規項目となり、適切に使用されることが重要として、まずは認知症専門医のいる大学病院などの専門施設や検査センターでの取り扱いを進めます。

シスメックスは、アルツハイマー病の特徴の一つである脳内のアミロイドベータ(Aβ)の蓄積状態を血液から測定する検査試薬を、30日に新発売する。検査内容としては新規項目となり、適切に使用されることが重要として、まずは認知症専門医のいる大学病院などの専門施設や検査センターでの取り扱いを進める。検査は自費となる。同社は、「受診機会を早期に拡大するため、関連学会・KOLとの連携を推進し、診断ガイドラインへの収載、保険適用に向けた活動を推進する」としている。

 

今回、新発売するのは「HISCLβ-アミロイド1-42試薬」「同1-40試薬」。昨年12月に体外診断用医薬品として承認された。全自動免疫測定装置「HISCL-5000」「HISCL-800」を用い、10~30μLの微量検体で約17分で測定する。

 

同剤は、コンパニオン診断薬として開発されたものではなく、エーザイが早期アルツハイマー病薬として承認申請中のレカネマブの適応判断に用いるものになるかは、学会や当局側などの判断によるという。PET検査、CSF(脳脊髄液)検査といった確定診断手法の前のプレスクリーニングとしての位置づけも考えられるが、同社は「脳内のAβの蓄積状態を補助する試薬」とだけ説明している。

 

同社は、アルツハイマー病の診断における課題の解決に向け、侵襲性が低く、より簡便かつ迅速に脳内のAβの蓄積状態を把握する技術の開発を進め、2016年2月には、エーザイと認知症領域に関する新たな診断薬創出に向けた非独占的包括契約を締結。両者の技術・ナレッジの活用により、同製品を開発した。

 

同製品は、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)を測定原理とし、血液中のAβペプチド(1-42ペプチドと1-40ペプチド)の比率を、同社の全自動免疫測定装置「HISCL」シリーズを用いて測定する仕組み。同装置は、検査室のある総合病院クラスの施設に配置されているという。価格は非開示。

 

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出典:薬事日報

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