診療報酬改定を6月実施~薬価改定は4月で維持
中央社会保険医療協議会は2日の総会で、2024年度薬価改定の施行時期を来年4月1日、診療報酬改定を6月1日とすることで了承した。薬価改定と診療報酬改定が2回に分けて行われることで、医療現場への影響が想定されるため、今年度内に検証調査を行う計画だ。その結果、問題がなければ26年度以降の改定も同様の施行時期で実施していくとしている。
来年4月に診療報酬改定を行う場合、2月上旬の中医協答申、3月上旬の関係告示から施行、初回請求までの期間が短く、医療機関、薬局、ベンダの業務がひっ迫し、大きな負担がかかっているのが現状だ。厚生労働省は、施行の時期を後ろ倒しし、負担の平準化や業務の効率化を図る必要があると判断。この日の総会で来年度改定の6月施行を了承した。
一方、薬価改定については、例年通り4月改定とした。医療現場で改定後半年程度の価格交渉期間が必要となり、毎年薬価調査を実施し、翌年度に薬価改定を行うサイクルを前提とすれば、4月に施行しなければ「薬価制度の根幹を揺るがすことになりかねない」との指摘が4月の中医協総会でも上がっていた。
次期改定に向けては6月の施行、経過措置は9月末を基本とすることで、今年度内に効果検証の調査が実施可能としている。
森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は「調剤報酬に占める薬剤費が75%を占め、薬価改定による影響は大きく、薬価のシステム改修が4月施行でも十分に間に合うと言い切れるものではない。改定に合わせ4月と6月に2回、レセコンをバージョンアップするなどの対応も必要であり、その影響については丁寧な検証をお願いしたい」と要望した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
8月2日の総会で中央社会保険医療協議会が、2024年度薬価改定の施行時期を2024年4月1日、診療報酬改定を6月1日とすることで了承。薬価改定と診療報酬改定が2回に分割され行われることで、医療現場への影響も想定されるため、今年度内に検証調査を行う計画です。