小児円形脱毛症薬に加算~30日付で6品目を薬価収載
厚生労働省は30日付で、新薬6成分6品目を薬価基準に収載する。内訳は、内用薬3成分3品目、注射薬3成分3品目。原価開示度が50%未満として、日本セルヴィエの抗悪性腫瘍酵素製剤「オンキャスパー」(一般名:ペグアスパルガーゼ)に加算係数ゼロが適用された。23日の中央社会保険医療協議会総会で了承された。
▽オンキャスパー点滴静注用3750(日本セルヴィエ):新有効成分のペグアスパルガーゼを含有する抗悪性腫瘍酵素製剤で、原価計算方式で算定した。
既存の治療方法であるL-アスパラギナーゼ製剤に対して過敏症を示し、同剤が使用できなくなった患者に対する有効性が示されていることなどを踏まえ、5%の有用性加算II、小児にも使用可能として小児加算5%の適用対象となったが、原価開示度が50%未満として加算係数ゼロとなった。
薬価は、3750国際単位1瓶が23万0637円。予測市場規模は、ピーク時の5年目に646人、販売額は5億2000万円。
▽リットフーロカプセル50mg(ファイザー):新有効成分のリトレシチニブトシル酸塩を含有する円形脱毛症治療剤で、日本イーライリリーのオルミエント錠4mg(バリシチニブ)を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した金額に、比較薬が承認を持たない12歳以上の小児円形脱毛症患者に対する有用性が認められているため5%の有用性加算IIをつけた。また、小児向け用法・用量が明示されていることなどから、5%の小児加算を適用した。
薬価は、50mg1カプセルが5802.40円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に1万1000人、販売額は156億円。
▽エムパベリ皮下注1080mg(スウェディッシュオーファンバイオビトラムジャパン):新有効成分のペグセタコプランを含有する発作性夜間ヘモグロビン尿症治療剤。
アレクシオンファーマのソリリス点滴静注300mg(エクリズマブ)を比較薬として類似薬効比較方式Iで算定した金額に、臨床試験において比較薬で効果不十分な患者を対象に有効性が認められているとして、5%の有用性加算IIを適用した。
薬価は、1080mg20mL1瓶が48万8121円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に226人、販売額は110億円。
▽リトゴビ錠4mg(大鵬薬品):新有効成分のフチバチニブを含有する抗癌剤で、インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパンのペマジール錠4.5mg(ペミガチニブ)を比較薬として、類似薬効比較方式Iで算定した。
薬価は、4mg1錠が1万0252.50円。予測市場規模は、ピーク時の4年目に32人、販売額は3億7000万円。
▽アクトヒブ(サノフィ):乾燥ヘモフィルスb型ワクチン(破傷風トキソイド結合体)で、MSDの肺炎球菌ワクチンであるニューモバックスNPシリンジを比較薬とし、類似薬効比較方式Iで算定した金額に、予防接種法で定期接種のワクチンに位置づけられているため、5%の有用性加算IIをつけた。
薬価は、10μg1瓶が4941円。予測市場規模は、ピーク時の1年目に180人、販売額は89万円。
▽コレチメント錠9mg(フェリング・ファーマ):有効成分のブデソニドを含有する潰瘍性大腸炎治療剤で、ゼリア新薬のゼンタコートカプセル3mgを比較薬とし、類似薬効比較方式Iで算定した。
薬価は、9mg1錠が607.80円。予測市場規模は、ピーク時の5年目に4万5000人、販売額は15億円。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
厚労省が8月30日付で新薬6成分6品目を薬価基準に収載。その内訳は、内用薬3成分3品目、注射薬3成分3品目となります。原価開示度が50%未満として、日本セルヴィエの抗悪性腫瘍酵素製剤「ペグアスパルガーゼ(オンキャスパー)」に加算係数ゼロが適用されました。8月23日の中央社会保険医療協議会総会で了承されたものです。