19都県で薬剤師確保計画~県薬と協議実施は約半数
日本病院薬剤師会は、都道府県病院薬剤師会を対象とした第8次医療計画・薬剤師確保制度に関するアンケート調査をまとめた。第8次医療計画作成に関する薬剤師確保について、都道府県(薬務主管課・医療政策課)との会議があったと回答したのは30都県病薬のうち23都県で、確保計画の記載予定があるのは19都県だった。
具体的な確保計画では、福島県が「県内の病院薬剤師・保険薬局薬剤師の実情を調査し、確保策や方法を検討する」と回答し、熊本県や神奈川県も薬剤師の就業・不足状況の実態把握目的の調査を行うとした。
東京都は「都内の偏在率は1を超え、薬剤師多数であるが、一部の医療圏(多摩地区の病院)では少数区域となっており、特に島しょ地域(伊豆七島)の薬剤師不在地域への就業支援策を行う」と回答した。石川県は県の「共育プログラム」をベースに確保計画を策定する予定で、宮崎県は新卒薬剤師に対する奨学金補助制度を検討するとした。
また、第8次医療計画の病院薬剤師に関する事項で都道府県薬剤師会から打診や協議の場があったのは半数に上り、打診や協議の場がなかったのは9県。医療計画を作成・審議するための協議会に都道府県病薬として参加する予定が「ある」と回答したのは16県と半数以上で、「ない」が4県、「未定」が10県だった。
厚生労働省や都道府県、日病薬に対する支援については「基金以外の国からの補助」「山形県病薬では薬学部設置について県に検討を依頼する予定」「厚労省に、薬剤師少数都道府県/薬剤師少数区域への薬剤師確保対策の現状把握と計画が未策定の自治体に対する具体的方策の指導をお願いしたい」などが挙げられた。
一方で、薬剤師確保(派遣・奨学金・返還助成など)の制度に関する実施状況も調査し、薬剤師確保をするための委員会創設予定は「ある」が6県、「ない」が4県、「未定」が15県、「設置済」が5県となった。その際、日病薬が作成した病院薬剤師確保の手引きを利用したのが17県で、13県は利用していなかった。
次年度に向け、基金等を活用した派遣、奨学金、返還助成等の実施見込みを聞いたところ、「ある」が6県、「ない」が2県、「未定」が16県、「その他」が6県となった。
県病薬からは「地域医療介護総合確保基金のハードルが高い」などの意見も上がっている。
武田泰生会長は、8月30日の会見で「30都県のうち、県との会議が明確に開かれてないと回答したのは4県のみで、協議の場を持つという意味でコンタクトとしては順調ではないか」との見方を示した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
都道府県病院薬剤師会を対象とした第8次医療計画・薬剤師確保制度に関するアンケート調査が、日本病院薬剤師会によってまとめられました。その中で第8次医療計画作成に関する薬剤師確保について、都道府県(薬務主管課・医療政策課)との会議があったと回答したのは30都県病薬のうち23都県。確保計画の記載予定があるのは19都県でした。