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【調査】後発品供給不安改善せず~昨年度から「悪化」が57% 厚生労働省

薬+読 編集部からのコメント

厚労省が実施した2023年度「後発品の使用促進策の影響および実施状況調査」で、後発品の供給体制が1年前と比べて悪化した薬局は昨年度とほぼ同じ57.1%に上ることが分かりました。患者さんが後発品を希望しないことがあるかを尋ねる質問では「ある」が98.5%を占め、希望しない理由としては「後発品に対する不信感があるから」が約3割で最多となっています。

 患者拒否の経験増える

後発品の供給体制が1年前と比べて悪化した薬局は57.1%と昨年度調査とほぼ同じ割合となっていることが、厚生労働省が実施した2023年度「後発品の使用促進策の影響および実施状況調査」で明らかになった。患者が後発品を希望しないことがあるかを尋ねたところ、「ある」が98.5%を占め、後発品を希望しない理由では「後発品に対する不信感があるから」が約3割と最多となった。一般名処方を応需した薬局が備蓄を理由に後発品を調剤しなかった事例も増えているようだ。日本医師会や日本保険薬局協会が実施した調査と同様に、後発品の安定供給が厳しい状況にあることが浮き彫りになった格好だ。

 

調査は、薬局や一般・歯科診療所の施設、病院医師、患者を対象に後発品の状況把握を目的に実施したもの。6月時点における薬局の後発品調剤割合を見ると「90%以上」が33.3%と最も多かった。平均値は昨年8~10月が82.5%で、今年6月が83.9%と1.4ポイント増加した。

 

ただ、各薬局で後発品を確保するのが厳しい状況にあるようだ。1年前と比較して一般名処方を応需した割合が増えた薬局は37.1%だった一方、一般名処方が行われた医薬品について、後発品を調剤しなかったことがある薬局は91.3%となった。

 

一般名処方が行われた医薬品について、後発品を調剤しなかった理由を尋ねたところ、「患者の意向」が53.4%、「保険薬局の備蓄」が30.2%、「後発品なし」が10.5%となった。一般名処方が行われた医薬品について、後発品を調剤しなかった場合の理由の変化を1年前と比べた結果、「患者の意向」を理由としたものは「増えた」が19.9%、「保険薬局の備蓄」で増えたのは47.4%となった。

 

1年前と比べた調剤医薬品の備蓄品目数の変化について尋ねたところ、先発品の備蓄品目数が増加した薬局が34%、後発品の備蓄品目数が増加した薬局が44.6%となった。一般名処方が行われた医薬品について、後発品を調剤しなかった場合の理由は患者の意向が減少し、保険薬局の備蓄の割合が増加した。

 

患者調査では、「できれば後発品を使いたい」との回答は38.9%であり、医薬品の供給が不安定の中、患者の後発品使用に関する考えは昨年度調査と同程度だった。

 

バイオ医薬品に関する調査も実施した。新規で処方された患者に、バイオ後続品を変更調剤したことのある薬局は前年度調査の15.6%から23.9%に増加し、既に先行バイオ医薬品を使用している患者に対する場合より多かった。

🔽後発医薬品調剤体制加算について詳しく解説した記事はこちら

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出典:薬事日報

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