医療

病院は150区分で評価提案~病院薬剤師などの賃上げ 中医協・入院分科会

薬+読 編集部からのコメント

2024年6月の診療報酬改定に向け、厚労省は看護職員、病院・診療所の薬剤師、その他の医療関係職種に対する賃上げのシミュレーション結果を、中央社会保険医療協議会入院・外来医療等の調査・評価分科会で提示しました。

中央社会保険医療協議会入院・外来医療等の調査・評価分科会が4日に開かれ、6月の診療報酬改定に向けた大臣折衝事項の「看護職員、病院薬剤師その他の医療関係職種」に対する賃上げへの対応をめぐって議論した。厚生労働省は、看護職員、病院・診療所の薬剤師、その他の医療関係職種に対し、来年度にベースアップ2.5%、2025年度に2.0%を実施していくため、賃上げ促進税制が有効的に活用されることを前提に、診療報酬0.61%分で対応する賃上げ率を対象職種賃金の2.3%と想定し、シミュレーション結果を示した。

 

病院の看護職員、薬剤師、その他の医療関係職種に対する賃上げ必要点数については、医科診療所における初診料、再診料、在宅患者訪問診療料の賃上げ必要点数と同点数を設定し、不足分を入院基本料等に上乗せする。この日の分科会では、入院基本料等に、▽一律の点数(全体の中央値)を設定する場合▽点数を複数に分け、病院ごとに点数を設定する場合――の2パターンでシミュレーションを実施した。

 

その結果、入院基本料等における賃上げ必要点数と一律の点数を設定する場合は制度設計はしやすく、医療機関の事務負担は小さくなることが想定されるものの、賃上げの対象職種の在籍状況や給与の状況、算定回数等によって賃金増率のバラツキが大きくなった。

 

一方、点数を複数に分け、病院ごとに評価を設定する設計方法では、賃上げの対象職種の在籍状況や給与の状況、算定回数等に応じたものになるため、過不足のバラツキを最小限に抑えることが可能となるが、医療機関の事務負担が大きくなることが想定される結果となった。

 

病院ごとに評価を設定する設計方法では、▽入院基本料における賃上げ必要点数を5区分に分け、病院ごとに点数を設定する場合▽入院基本料における賃上げ必要点数を1点~150点に分け、病院ごとに点数を設定する場合――について各施設の賃金増率の分布状況を検討した。150区分での評価方法では各施設の賃金増率が2.3%に収束しており、医療機関の事務負担で見ても5区分と150区分による評価設定にはさほど差がないという。

 

構成員からは「一律の点数を設定するのは、施設によって外れ値が出てしまうので難しい」「点数を複数に分け、病院ごとに評価を設定する場合に、5区分と150区分で施設の事務負担が同じであれば、より精度が高いところに合わせた方がいい」などの意見が出た。

 

同分科会では今月中にも取りまとめを行う予定だ。

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出典:薬事日報

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