高齢者施設へ配薬容認を~夜間など在宅輪番制に課題 薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会
薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会が25日に開かれ、薬局の在宅医療における夜間・休日対応をめぐり議論した。厚生労働省は、医師、薬剤師、看護師等による連携体制の構築が重要としつつも、「連携している薬局においてどうしても対応できない場合の受け皿となる薬局が地域にあることが望ましい」との考え方を提示。これに対して、佐々木淳参考人(医療法人社団悠翔会理事長・診療部長)は、薬局から在宅患者に薬が届けられていない実態を踏まえ、高齢者施設への配薬などを認めるよう要望した。
厚労省は、夜間・休日の在宅対応でその薬局がどうしても対応できない場合に、地域での輪番制による対応やそれぞれの薬局が代わりの薬局を指定しておくなどの対応案を示した。
これに対し、佐々木氏は緊急時の対応として、高齢者施設への配薬を求めた。「15年前には高齢者施設に薬が置かれていて、患者はすぐに薬を使うことができた。そういう仕組みを公的な枠組みの中で作ってほしい。そうすれば、薬剤師が薬を届けるためだけの在宅がなくなる」と述べた。
へき地や離島での在宅医療における夜間・休日対応も「薬剤師が1人しかいない地域も多くあり、その人の善意に依存して医療が行われている。薬局薬剤師しか触れられない厳格なルールを見直し、訪問看護ステーションや高齢者施設からでも緊急対応ができるようにしてもらいたい」と強調し、「薬剤師がいなくなった時に薬の供給がストップすることはないようにしてほしい」と訴えた。
山口育子構成員(ささえあい医療人権センターCOML理事長)は「在宅での夜間・休日対応は施設も切迫している。特に個人在宅については個店でやっている薬局では厳しく、輪番制が成り立たない」と課題を指摘した。
一方、外来患者への夜間・休日対応については、厚労省のまとめ案が概ね了承された。地域薬剤師会の非会員薬局も含めた対応が行えるよう行政機関から地域住民に広報・周知する。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
薬局の在宅医療における夜間・休日対応について、薬局・薬剤師の機能強化等に関する検討会で議論が行われました。薬局から在宅患者に薬が届けられていない実態を踏まえ、参考人からは高齢者施設への配薬などを認めるよう要望する声が上がりました。