MR総数が10年連続減少~情報チャネル多様化反映 MR認定センター
MR認定センターが25日に公表した「2024年版MR白書」によると、24年3月末(23年度)時点のMR総数は前年より2963人減の4万6179人と、10年連続の減少となった。5万人を2年連続で下回る結果となった。同センターは、今回の減少について「情報提供に様々な手段が生まれ、活用されていることも一因として考えられる」と説明している。かつて全体の約1割いた薬剤師資格保有MRの割合は8.9%と、過去最低だった前回より0.2ポイント増えた。
MR数は24年3月31日時点のもの。同センターが4月に製薬企業、CSO、卸の199社を対象に調査し、全社から回答を得てまとめた。MR数は02年度にかけて5万人台へ突入し、13年度には6万5752人とピークに達した。その後減少が続き、今回の23年度はピーク時から1万9033人減った。
MR数減少の背景には、降圧薬など同種同効薬が多かった生活習慣病治療薬について、多数のMRが活動を展開した「シェア・オブ・ボイス(SOV)」の時代から、今の市場の中心となっている製品が多数のMR活動を必要としない癌や中枢神経などスペシャリティ薬に移ったことがある。
加えて今回の減少数は、前回の2166人減を上回った上、過去最大の20年度の3572人減に次ぐ多さとなったのは、リモートなど情報チャネルの多様化があったためと見られる。
CSO所属のコントラクトMR(CMR)数は今回は微減だが、増加傾向にある。18年度の3614人から一貫して増加し、22年度は4409人と4000人台に乗せ、今回は4353人だった。
日本CSO協会の分析では、製薬企業は本体のMR数を適正化し、固定費を抑えつつ、新薬上市など製品ポートフォリオの変化に応じて外部委託し、全体として必要な情報収集・提供活動を確保する傾向が広がっている。その動きが今回の調査にも表れたと言える。
新卒採用社は71社と前回と変わらず、未採用社は128社だった。採用社のうちMR認定試験合格者を採用した会社数が8社(前回4社)、21人(前回4人)となった。同センターは「26年度に控える制度改定で、受験資格撤廃への弾みとなる結果」と見ている。
🔽 MRの仕事について解説した記事はこちら
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
MR認定センターが「2024年版MR白書」を公表。2024年3月(2023年度)末時点のMR総数は前年より2963人減の4万6179人と、10年連続の減少となり、2年連続で5万人を下回りました。薬剤師資格保有MRの割合は8.9%と、過去最低だった前回より0.2ポイント増えています。