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【韓国病薬 金会長】専門薬剤師を国家資格化~世界初、初年度は481人

薬+読 編集部からのコメント

韓国は2023年に世界で初めて専門薬剤師制度を国家資格化し、第1回試験で韓国病院薬剤師会会員の約1割に相当する481人の専門薬剤師を輩出しました。韓国病院薬剤師会の金会長は「多くの人が関心を持って受験してくれた」と手応えを示しています。

韓国は昨年、世界で初めて専門薬剤師制度を国家資格化し、第1回試験では韓国病院薬剤師会会員の約1割に相当する481人の専門薬剤師を輩出した。韓国病院薬剤師会の金正泰会長(写真=江東慶煕大学校病院薬剤室長)は、本紙のインタビューに応じ、「多くの人が関心を持って受験してくれた」と滑り出しに手応えを示す。専門薬剤師制度の法制化を機に、保険報酬上の評価獲得にも意欲を示し、「薬剤師単独の活動で保険点数が認められるのは難しい。多職種のチーム医療に専門薬剤師が参加した場合に保険点数がもらえる形からスタートしたい」との構想を語る。

韓国の専門薬剤師制度は、病院薬剤師会主管の制度として2010年にスタートし、20年4月に専門薬剤師を国家資格として認める薬事法一部改正法が公布された。昨年4月に「専門薬剤師資格認定等に関する規定」が大統領令で制定され、国家資格となった。

 

病院薬剤師部門の専門科目は「内分泌」「老人」「小児」「心血管」「感染」「静脈栄養」「臓器移植」「腫瘍」「重症患者」の9科目。地域薬剤師を対象とする「統合薬物管理」は準備期間を経て26年から施行される予定となっている。

 

昨年12月に実施した第1回薬剤師資格試験では、昨年から3年間は受験特例が認められ、韓国病院薬剤師会会長が発行した専門薬剤師資格保有者は、試験日基準直前の5年以内に当該専門科目に1年以上従事した経歴があれば受験可能とし、525人が受験、481人(合格率91.6%)が合格した。今年3月に韓国の保健福祉部から資格証が交付された。

 

金氏は、法制化の意義について「国が認めた専門薬剤師制度は他の国にはなく、韓国が初めて」と強調。韓国病院薬剤師会が所管する専門薬剤師1646人のうち重複取得者を除くと約1100人いるが、その半数となる525人が受験したことに病院薬剤師からの関心の高さが反映された格好だ。

 

法制化後の変化について、「国の専門資格として認められたという機運が少しずつ出てきているのではないか。国民に対しては認知がまだ広がっていないところがあるが、医療機関には専門性を持つ薬剤師という認識に変わってきている」と感触を語る。12月には第2回試験を予定しており、「昨年に続き、今年も韓国病院薬剤師会が試験実施や管理機関の役割をより安定的に遂行し、その能力が認められるように努力する」と話す。

 

専門薬剤師が医療機関で活発に活動できるよう保険報酬上の評価獲得にも強い意欲を示す。金氏は「チーム医療で他職種と協力して保険点数が付けられ、国民の医療に貢献することが突破口になるのではないか」と指摘。医療エビデンスを蓄積することで、国民に病院薬剤師の仕事を認知してもらい、保険報酬上の評価につなげたい考えだ。

 

既に静脈栄養の分野では、専門薬剤師がチーム医療に参画することで報酬が付く仕組みがある。保険点数算定の具体的なイメージとしては、「専門薬剤師を常駐させてチーム医療を行っている施設を高く評価する」と具体例を挙げる。

 

専門薬剤師を育てる教育機関の拡大にも取り組む。現在、保健福祉部と協議を進めており、今年度下半期に専門薬剤師修練教育機関の指定に関する詳細内容が発表される予定だ。薬学大学や大韓薬剤師会など関連団体と協力して、教育プログラムの開発や教育体系を整備する。

 

米国や日本での専門薬剤師制度を参考に病院薬剤師会で専門薬剤師制度を構築し、わずか10年あまりで世界初の国家資格化に漕ぎ着けた。

 

金氏は、「専門薬剤師の法制化は薬剤師の役割拡大と地位強化のためのステップと考えられる」と通過点であることを強調。今後に向けては「専門薬剤師制度が安定的に定着するように、専門薬剤師修練教育機関の標準化、医療機関で専門薬剤師の活動が実質的に認められ、活性化されるよう専門薬剤師の適正人材確保や診療報酬の新設などに努める」と意気込む。

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出典:薬事日報

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