医療

25年度中間年改定が決着~品目ごとに対象範囲設定

薬+読 編集部からのコメント

2025年度の中間年薬価改定について、林官房長官、加藤財務相、福岡厚労相は平均乖離率の5.2%を基準に新薬創出等加算対象品目と後発品はその1.0倍、長期収載品は0.5倍を超える品目を改定対象とするなど、品目ごとに対象範囲を設定することに合意しました。

林芳正官房長官、加藤勝信財務相、福岡資麿厚生労働相は20日、2025年度の中間年薬価改定について、平均乖離率の5.2%を基準に新薬創出等加算対象品目と後発品はその1.0倍、長期収載品は0.5倍を超える品目を改定対象とするなど、品目ごとに応じて対象範囲を設定することに合意した。平均乖離率の0.625倍を超える品目を一律に対象とした過去2回の中間年改定とは異なり、カテゴリーごとにメリハリを付けた改定となった。厚労省の試算によると、改定対象品目は全体のおよそ半数となる9320品目で、1万3400品目を対象とした前回23年度改定から範囲が小さくなる見通しだ。

 

 「0.625倍超」の慣例見直す

改定の対象品目については、平均乖離率5.2%を基準として、新薬創出等加算対象品目・後発品については1.0倍(乖離率5.2%)、新薬創出等加算対象品目以外の新薬は0.75倍(3.9%)、長期収載品は0.5倍(2.6%)、1967年以前に収載されたその他医薬品は1.0倍(5.2%)をそれぞれ超える医薬品を改定対象とする。

1万7440品目のうち改定対象となるのは9320品目(53%)と、およそ半数となる見通し。創薬イノベーション推進の観点から新薬創出等加算品目は60品目と中間年改定が行われた23年度改定の240品目から4分の1の改定範囲にとどめた。

 

長期収載品の改定対象品目数は1500品目と23年度改定と同規模だが、後発品は5860品目と約2800品目減る試算だ。

 

25年度改定では、追加承認品目等に対する加算や不採算品再算定品の実施、最低薬価の引き上げといった臨時的対応を行う一方、特許切れ後に加算額を返還する新薬創出等加算の累積額控除ルールを中間年でも導入する。

 

不採算品再算定品は、基礎的医薬品と組成・剤形が同一である品目、安定確保医薬品A・B、厚労相が増産要請を行った品目など、医療上の必要性が高い医薬品に絞って臨時的に不採算品再算定品として適用する方針。

 

ただ、厚労相が増産要請を行った品目を除き、改定率5.2%を上回った品目は対象としない。

 

平均乖離率は4年連続で縮小となり、この4年間で2.8ポイント縮小し、3大臣合意でも21年度、23年度改定の慣例に固執することなく、必要な対応を行うことを確認した。

 

福岡氏は、同日の閣議後会見で「平均乖離率が5.2%まで縮小する中でも、国民の保険料負担軽減や創薬イノベーションの推進、医薬品の安定供給の要請に応える両立が重要であることから、対象範囲や改定基準の適用でメリハリの付いた対応となった」と説明した。

 

また、同日に行われた中央社会保険医療協議会薬価専門部会では、25年度薬価改定の骨子素案について意見交換した。

 

新薬創出等加算の累積額控除ルールが中間年改定で初めて導入されることについて、支払側委員は「妥当な判断」と評価した一方、石牟禮武志専門委員(塩野義製薬渉外部長)は「(新創加算の累積額控除が)1年前倒しする形になることは、該当品を持つ企業に大きな影響を与える」と懸念を表明した。

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出典:薬事日報

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