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「シダキュア」今秋出荷増へ~新たな原薬製造設備稼働で 鳥居薬品

薬+読 編集部からのコメント

需要の増加により2023年から限定出荷が続くスギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法薬「シダキュアスギ花粉舌下錠2000JAU」(一般名:スギ花粉エキス)について、鳥居薬品は2025年秋頃から取引卸への出荷を段階的に増加できる見通しを示しました。

鳥居薬品は、需要増で2023年から限定出荷が続いているスギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法薬「シダキュアスギ花粉舌下錠2000JAU」(一般名:スギ花粉エキス)について、今年秋頃から取引卸への出荷を段階的に増加できる見通しを示した。7月に新たな原薬製造設備が竣工、稼働する予定となったため。限定出荷解除については早期に目指すとしているが、まだ明確な見通しは示していない。

 

鳥居は、採取したスギ花粉を用い、製造委託先で大幅な増産体制の構築に向け、原薬製造設備の整備を進めている。最大生産能力は年間50万人分で、限定出荷前の約2倍に増加するという。

 

既に製剤化を行う製造委託先企業での製剤製造ラインと、包装委託先企業での包装ラインの確保は完了しているという。

 

今秋頃から予定する卸への出荷量増加と並行し、在庫を積み増す。安定供給に必要な在庫量の確保ができ次第、「早期の限定出荷の解除」を予定する。

 

同剤への需要は高まっていくと見られる。そのため同社は「引き続き需要動向等を注視しながら、適切なタイミングでさらなる増産に向けた追加投資の判断を行う」と説明している。

 

10日には医療関係者に「25年出荷量見込みに関しての案内」を発出し、これらスケジュールを示した。この中では「入り用に合わせた」購入を求めると共に、全ての注文に応えられない恐れもあることを伝えた。

 

同社は23年8月に、生産グループの中にスギ花粉の調達を一元的に担当する部署「原料調達部」を設置していた。関係省庁、森林組合などスギ花粉採取先について新たな採取先の開拓、交渉、契約、スギ花粉採取量の増加に向けた技術開発などを進めている。

 

同年に政府の「花粉症に関する関係閣僚会議」が決定した花粉症対策では、同療法は根治も可能だとして、年間供給量を5年内に4倍の約100万人分に増加させるとの方針を示している。同社には厚生労働省から増産などの安定供給のための方策を実施するよう求められていた。

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出典:株式会社薬事日報社 

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