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【PMDA検討会】患者向医薬品ガイド作成~全ての医療用薬対象を原則に 医薬品医療機器総合機構

薬+読 編集部からのコメント

PMDAが患者向医薬品ガイド検討会を開催。全ての医療用医薬品を対象としたガイドの作成について委員から賛同する声が相次いだ一方、「生薬や漢方など対象外とする品目のリストも必要」「まずは必須版を作成して普及を図るべき」などの意見も上がりました。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は2月26日に患者向医薬品ガイド検討会(写真)を開き、全ての医療用医薬品を対象としたガイドの作成について委員から賛同する声が相次いだ。一方、生薬や漢方など対象外とする品目のリストも必要との指摘があったほか、ガイドの普及を図るためにまずは必須版の作成から始めるべきとの意見も上がった。

様式、内容・項目に関する論点として、▽全ての医療用医薬品についてガイドを作成するか。ガイドの優先度が低いまたは不要な医薬品はあるか▽必須版と詳細版の作成を目指すか。業務負担やコストの観点から両者を一律に作成し始めるか▽これまでと同様に電子版を基本とするか――を提示した。

 

医療用医薬品約1万2000品目のうち、ガイドが存在する品目は全体の36%にとどまる。

 

滝田諭委員(日本製薬団体連合会安全性委員会委員長)は、「全ての医療用医薬品を対象とすることが原則で良い」とした一方、「生理食塩水や漢方製剤などネガティブリストを作成した上で、全ての医薬品を網羅するもの」と条件を付けた。

 

益山光一委員(東京薬科大学薬学部教授)も、「刻み生薬や消毒液など急いで作成しなくても良い品目より、必須だがガイドの情報がない品目の優先度を上げてほしい」と注文を付けた。

 

小笠原俊拓委員(日本薬剤師会理事)は、「使用機会が多い品目でもガイドがないのは現場として使用しづらいため、先に作成して原則全ての品目を網羅すべき」と述べた。

 

必須版と詳細版の作成については、花井十伍委員(ネットワーク医療と人権理事長)が「大人は添付文書やインタビューフォームも読んで理解できるが、子供には必須版が求められる。まずは必須版を浸透させることから始めるべき」と主張。

 

益山氏も「両者を同時に作成するのが良いと思うが、まずは必須版を作成して普及を図るべき」と同調した。

 

電子版を基本に位置づけるかどうかに関して、滝田氏は「電子版が基本になると思うが、現在はテキストのPDFしかなく、極めて使いにくいため改善が必要」と訴えた。

 

益山氏は「ベースは電子版になると思うが、高齢者を考慮して紙媒体で配布しても良い。ポスターのQRコードからPMDAのホームページにリンクして普及を図る方法もある」との考えを披露した。

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出典:株式会社薬事日報社 

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