薬局の休日当番手当調査~「十分な支給なし」地区も 東京都薬剤師会

東京都薬剤師会は、薬局に対する休日当番手当の実施状況に関する調査を行う。都保健政策部から包括補助制度を通じて、区市町村に対し薬局への休日当番にかかる手当ての支出目的とした予算措置がなされているが、実際には市区町村によって対応に差があり、十分な手当が行われていない地域があるという。各区市町村における薬局への休日当番手当の支給状況や金額、支給要件、運用の実態等について調査を行い、今後の制度改善や要望活動に役立てる方針。
既に8割の薬局から回答が得られている。地域の夜間・休日医療体制に対し、自治体からどの程度の依頼が薬剤師会や薬局に寄せられているか、その際に薬局に相応の対価が支払われているかを確認する。地区の中でも複数の休日応急薬局・診療所があり、それを輪番制で実施する地区もある。
補助金が支払われている地域については、その経緯や補助金支給を自治体に交渉した経験の有無を質問している。補助金の支給ができない場合は理由なども聞いている。
薬局への休日当番手当に関する都の予算については「福祉保健区市町村包括補助事業(保健医療)」で対応を行うこととなっている。都から市区町村に分配され、医師会や薬剤師会に補助金が支給されるが支給状況は地区任せになっている。
高橋正夫会長(写真)は6日の定例会見で、「市区町村によっては薬局を開けていることによるフィーがないという話が来ている。中には、医師会や歯科医師会には手当てはできても薬剤師会にはできていないと聞いている」と調査の狙いを語った。
その上で「話がきちんと現場に伝わっているのか。行政との話し合いは様々な面で実施していかないといけない」との考えを示した。
一方、日本薬剤師会が今月に公表する予定としている地域医薬品提供体制強化のためのアクションリストの対応について、犬伏洋夫常務理事は「リストを見ると、地区薬剤師会への現状把握と都道府県薬剤師会が地区薬剤師会の取り組みを評価するものが混在している感触がある。都薬では地区薬剤師会向けのアンケート調査を作っている」と説明した。
今回実施する薬局における休日手当の調査についても「休日の体制を評価する調査を兼ねているので使えるのではないか」と語った。
出典:株式会社薬事日報社
薬+読 編集部からのコメント
東京都薬剤師会が、薬局に対する休日当番手当の実施状況に関する調査を実施します。各区市町村における薬局への休日当番手当の支給状況や金額、支給要件、運用の実態等について調査を行い、今後の制度改善や要望活動に役立てる方針です。