【NPhA調査】電子処方箋普及は過渡期~月1件以上受付が65% 日本保険薬局協会
日本保険薬局協会(NPhA)は、マイナ保険証受付・患者同意に基づき閲覧できる情報の確認や薬剤師業務への貢献等の実態を把握するための調査結果をまとめた。電子処方箋受付体制を備えた1006の認定薬局から回答が得られ、マイナ保険証利用率は平均42.1%、電子処方箋管理サービスの理解度が高い薬局は75.5%、マイナ保険証受付時に薬物治療の質や安全性向上につながる仕組みについて患者に頻繁に説明している薬局は62.6%に上った。
今年3月単月の月間処方箋受付回数のうち電子処方箋対応医療機関から発行される引き換え番号が印字された紙処方箋、電子処方箋が原本の受付回数を聞いたところ、平均値は8.52%で「0~10%未満」が49.1%と半数を占め、次いで「実績なし」の35.4%となった。NPhAは、「全体の65%は月に1件は電子処方箋の受付があり、一般化するまでの過渡期にあるのではないか」と分析した。
電子処方箋管理サービスの理解度については「全ての薬剤師が理解している」が42.5%、「ほとんどの薬剤師が理解している」が33.0%と合計で75.5%となった。
マイナ保険証受付により薬物治療の質や安全性向上につながる仕組みであることを患者に口頭説明している頻度については、「いつも説明している」が19.4%、「よく説明している」が43.2%となり、説明頻度が多い群は合計で62.6%に上った。
情報管理や業務量、仕組みやシステムにかかる負担について、「負担ではない」(1点)、「あまり負担ではない」(2点)、「どちらでもない」(3点)、「やや負担である」(4点)、「とても負担である」(5点)の選択肢で回答者に評価してもらったところ、業務量については「情報確認の業務工程が増えること」が3.54点と負担度合が高かった。
また、仕組み、システムにかかる負担では「受付日にしか情報閲覧ができないこと」が3.86点、「システム・ネットワーク等の不具合対応」が3.90点と高かったほか、「受付方法によって情報閲覧可否が変わること」も3.67点となった。
出典:株式会社薬事日報社
薬+読 編集部からのコメント
マイナ保険証受付・患者同意に基づき、閲覧できる情報の確認や薬剤師業務への貢献等の実態を把握するための調査結果を、日本保険薬局協会(NPhA)がまとめました。電子処方箋受付体制を備えた1006の認定薬局から回答が得られ、NPhAは「全体の65%は月に1件は電子処方箋の受付があり、一般化するまでの過渡期にあるのではないか」と分析しています。