医療

薬情に二次元コード印字~患者向ガイド取りまとめ 医薬品医療機器総合機構

薬+読 編集部からのコメント

PMDAが、患者向医薬品ガイド検討会の取りまとめを公表。全医療用医薬品を対象に製薬企業がガイドを作成し、患者が理解しやすい「必須版」から始め、薬局等が提供する薬剤情報提供書に二次元コードを印字してアクセスする方法などを求めました。

医薬品医療機器総合機構(PMDA)は、患者向医薬品ガイド検討会の取りまとめを公表した。全医療用医薬品を対象に製薬企業がガイドを作成し、患者が理解しやすい「必須版」から始め、薬局等が提供する薬剤情報提供書に二次元コードを印字してアクセスする方法などを求めた。課題である認知度向上対策として、周知啓発キャンペーン、患者等向けシンポジウムの実施等が必要とした。ガイドの運用については取りまとめに記載された内容を踏まえ、厚生労働省と連携しながら検討を進めていく予定としている。

 

昨年12月から6回にわたって議論した内容をまとめたもの。ガイドの目的として、公的機関が保証した信頼できる情報を発信し、患者等が医師・薬剤師等に質問・相談するきっかけになると共に、薬剤師等による説明ツールとして活用されることで円滑なコミュニケーションを促すことなどとした。

 

全ての医療用医薬品を対象品目として教科書的に作成され、今後新規承認される品目、ガイド未作成の品目の作成にも取り組む。一方、漢方処方の調製に用いる調剤原料、洗浄・消毒薬といった患者が薬剤として認知しにくいものは作成の対象外とした。

 

患者が理解しやすく、医療関係者も利用しやすいよう原則A4判1枚、最長でも2枚程度の文量にまとめた「必須版」、詳細を知りたい患者向けに現行ガイドと同程度の内容を含んだ「詳細版」の2部構成とし、ガイドの認知度が低い現状を踏まえ、必須版の作成・普及を優先するとした。

 

一般の人たちに理解してもらうため、用語は小学校高学年程度が理解できる用語を使用し、漢字が四つ以上並んだ副作用名や医学専門用語の羅列とならないよう適切な用語に置き換える。

 

必須版では、販売名・一般名・製剤写真、どんな薬かや使用に当たり注意すべきこと・副作用、使用できない人・特に注意して使用すべき人などを記載項目とし、内容は項目間での重複を避けることなどとした。

 

製薬企業のガイド作成に当たり、行政が必須版の記載内容や記載方法を解説した新たな手引きを作成。企業は手引きに基づき、現行ガイドが未作成の品目について速やかに必須版を作成し、既にガイドがある品目では未作成品目よりも優先度を下げて順次、必須版を作成する。新規承認品目については販売開始までに必須版を作成するとした。

 

必須版を一定程度作成した段階で患者等のニーズに関する調査を行い、調査結果を踏まえ、ガイド内容の改善、詳細版の作成も検討する。

 

ガイドの提供方法としては、医療機関・薬局が提供する薬剤情報提供書に二次元コードを印字し、コードからアクセスする方法を優先的に推進しつつ、PTPシート等に記載されたGS1コードからアクセスする方法、電子版お薬手帳など各種PHRにおける医薬品の説明としてガイドにアクセスする方法に関しても機能整備を進めていくことが望ましいとした。

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出典:株式会社薬事日報社 

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