医療

在宅体制加算4割が算定~評価メリハリ求める声 中央社会保険医療協議会総会

薬+読 編集部からのコメント

一定の訪問実績が必要な在宅薬学総合体制加算の届出薬局数が薬局全体の40%を超えたことを、厚労省が中医協総会で示しました。訪問薬剤管理指導全体では、訪問先の単一建物当たりの診療患者は10人以上の割合が高くなっています。

厚生労働省は、一定の訪問実績が必要な在宅薬学総合体制加算の届出薬局数が薬局全体の40%を超えたことを、27日の中央社会保険医療協議会総会に示した。訪問薬剤管理指導全体では、訪問先の単一建物当たりの診療患者は10人以上の割合が高かった。訪問薬剤管理指導を行っている薬局のうち、約12%の薬局が昨年6月の調剤報酬改定で新設された在宅移行初期業務を行っており、対象患者は認知症患者が最も多く、次いで独居の高齢者が多かった。

 

この日の総会で厚労省は、薬局の在宅の実施状況やそれに伴う調剤報酬の算定状況を示した。在宅医療に対応した経験がある薬局は7割を超え、一定の訪問実績が必要な在宅薬学総合体制加算の届出薬局数については薬局全体の40%を超え、増加傾向にあった。

 

薬局における在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者訪問薬剤管理指導料(医療保険)、居宅療養管理指導費(介護保険)の算定回数についてもいずれも増加傾向にあった。緊急訪問は医療と介護の訪問回数全体の2.5%程度だった。

 

在宅薬学総合体制加算の算定薬局は勤務している薬剤師数が多い傾向で、在宅薬学総合体制加算1よりも、医療的ケア児やターミナルケアなどに対応した体制を評価する在宅薬学総合体制加算2を算定している薬局の方が勤務している薬剤師数は多い傾向にあった。

 

訪問薬剤管理指導を行う薬局のうち、約9割の薬局が夜間休日対応の体制を整えていた。訪問薬剤管理指導を行っている薬局のうち約12%の薬局が在宅移行初期業務を行っており、在宅移行初期管理料を算定できない理由としては、「対象患者の要件を満たせないため」が最も多かった。

 

在宅患者の訪問薬剤管理指導を行っている薬局のうち、約8割の薬局が無菌製剤処理を行うための設備を有していなかった。自薬局に無菌調剤実績がある薬局は調査全体の5.4%だったが、在宅薬学総合体制加算2を算定している薬局においては27.3%で調剤実績があった。

 

診療側の森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は、「医療提供体制の課題は地域で異なり、各薬局の努力だけではなく薬局間連携による体制を面で支えていくことが必要」と述べ、地域単位の評価を求めたほか、在宅移行初期管理料も施設基準や要件の緩和を求めた。

 

これに対し、支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は、在宅薬学総合体制加算の届出薬局数が増える中、加算1の算定薬局では麻薬の備蓄がなく無菌調剤の実績が少ない点に言及。「施設基準が厳しい在宅薬学総合体制加算2の算定薬局は無菌調剤の実績が一定程度あり、評価にメリハリをつけるべき」と注文を付けた。

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出典:株式会社薬事日報社 

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