電子処方箋導入補助終了か~来年9月、薬局は反対 厚生労働省電子処方箋推進会議
厚生労働省は9月29日の電子処方箋推進会議で、今月以降も電子処方箋導入に関する補助を延長する一方、概ね全ての施設で導入が見込まれる薬局に対する補助を来年9月までの延長で終了する方針を示した。しかし、薬剤師構成員などから補助の継続を訴える声が相次ぎ、厚労省は「今後どうするかは相談しながら進めたい」と引き取った。

厚労省は、電子処方箋導入に向けた補助について来年9月まで延長し、補助対象の機能も従来の院外処方機能に加えて院内処方機能も対象に追加する方針。同10月以降は、来夏までに取りまとめられる電子カルテ・共有サービスの普及計画を踏まえ検討する。
一方、薬局については、9月時点で利用申請済み施設が93%、運用開始済みの施設が86%に達することから、「概ね全ての薬局に導入されることが見込まれている」と判断。補助対象とする導入期限は来年9月までの延長を最後とし、未導入薬局については導入期限までの導入を促す方針を決めた。
補助内容を見ると、院外処方機能については、事業額55万3000円を上限に半額の27万7000円を補助する。院内処方機能を加えたものに関しては、事業額60万3000円を上限に半額となる30万2000円を補助するとしている。
関口周吉構成員(日本チェーンドラッグストア協会業務執行理事)は、店舗数300以上の薬局では運用開始済みが98%に上ることに言及。「オンライン資格確認のカードリーダー導入から5年が経過する買い換えの時期で経費が発生する。店舗規模だけでなく、店舗ごとに導入期間も見ていくべき」と主張し、「導入率98%だからもう補助はしないということではなく、調剤後の登録も薬剤師は頑張っているので、今以上の手厚い補助をお願いしたい」と訴えた。
田中千尋構成員(日本薬剤師会常務理事)も「電子処方箋導入後のランニングコストに対する補助も考慮してほしい」と求めた。
出典:株式会社薬事日報社
薬+読 編集部からのコメント
厚生労働省は2025年10月以降も電子処方箋導入に関する補助を延長する一方、概ね全ての施設で導入が見込まれる薬局に対する補助を2026年9月までの延長で終了する方針を電子処方箋推進会議で提示。薬剤師構成員などからは補助の継続を訴える声が相次ぎ、厚労省は「今後どうするかは相談しながら進めたい」と引き取りました。