お薬手帳持参を原則化~生活保護者の薬局利用 厚生労働省検討会
厚生労働省の医療扶助・健康管理支援等に関する検討会は11日、議論の中間整理案を概ね了承した。生活保護受給者の医療機関受診時と薬局利用時にお薬手帳を持参することを原則とした。一定種類数以上の医薬品の投与を受けているなど「重点対応対象者」として選定された人には、薬局への同行支援などを行うよう福祉事務所に求めた。
生活保護受給者の服薬状況として、処方される医薬品の種類が多い傾向が見られる。医薬品の適正使用に向けた支援策も含め、検討会で10月から4回にわたって議論した結果を中間整理としてまとめ、必要な対応を取るよう国に求めた。
医薬品の適正使用に向けた取り組みとして、医療機関・薬局で患者の薬剤服用歴や併用禁忌・重複投薬の確認が確実にできるよう、受給者が受診時・薬局利用時に電子版お薬手帳を含めたお薬手帳を持参することを原則とした。
お薬手帳の確認や電子処方箋等による薬剤情報の閲覧を通じて服薬状況等の確認を行うこととし、確認結果を踏まえて適正使用に関する必要な対応を行う。
福祉事務所による重複・多剤投与対策も盛り込み、「最も重要なポイント」として服薬に関する相談対応、服薬管理方法見直しに向けた助言・指導、処方内容の調整など、医師・薬剤師による対応につなげるとし、国が丁寧な技術的支援を行うことが適当とした。
具体的には、同一月内に複数の医療機関から同一成分の医薬品を処方されている人、同一月内に6種類以上の医薬品の投与を受けており、かつ複数の医療機関を受診している人に文書での通知などを実施する。
その中で、15種類以上の医薬品の投与を受け、複数医療機関を受診している人などのうち、嘱託医・薬剤師等との協議により、「重点対応対象者」として選定された場合、対面指導や薬局への同行支援など重点的な対応を行う。
重点的な対応に当たっては、併用禁忌など薬学的リスク、ケースワーカーが訪問調査時に把握した情報の勘案など、優先順位づけの考え方を国が具体的に提示すべきとした。
受給者が健康行動に取り組むよう促すことも重要とし、健康サポート薬局や連携して相談対応等を行う地域の薬局などが地域の身近な相談窓口として機能し、福祉事務所が服薬等に課題を抱える人に対して薬局への相談勧奨を行うなど積極的な連携が進められるよう国が取り組み事例を収集・共有するよう求めた。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
厚生労働省の医療扶助・健康管理支援等に関する検討会が、議論の中間整理案をおおむね了承。生活保護受給者の医療機関受診時と薬局利用時にお薬手帳を持参することを原則としました。