医療

長期品負担「2分の1」に~選定療養の価格差引き上げ 中央社会保険医療協議会総会

薬+読 編集部からのコメント

中央社会保険医療協議会総会で、厚生労働省が長期収載品の選定療養に関する患者負担額を現行の「長期収載品と後発品の価格差の4分の1」から「2分の1以上」に引き上げる方向性を示しました。

厚生労働省は17日の中央社会保険医療協議会総会で、長期収載品の選定療養に関する患者負担額を現行の「長期収載品と後発品の価格差の4分の1」から「2分の1以上」に引き上げる方向性を示した。医療上の必要性がある場合や、後発品の在庫不足などで提供が困難な場合は、引き続き選定療養の対象外とする方針。具体的な負担割合は、予算編成過程を経て決定される。

 

前回の中医協では、患者希望で長期収載品を使用した場合の負担について、後発品との価格差の「2分の1以上」「4分の3以上」「全額負担」のいずれかとする案が議論されたが、厚労省はその中で最も価格差が小さい「2分の1以上」にすることを提案した。

 

厚労省の試算によると、選定療養対象の約1000品目で、価格差の4分の1が「100円未満」のケースは約9割を占める。また、調剤レセプトで「特別料金」が1万円を超える場合、価格差4分の1の平均値は136.2円だった。

 

その上で、長期収載品使用時の患者負担額を、長期収載品と後発品の価格差の2分の1以上に引き上げた場合のシミュレーションも示した。長期収載品の薬価を1錠20円、後発品を1錠10円とし、1日4錠25日分を投薬した場合、自己負担3割で長期収載品の保険給付は現行の1225円から1050円に減少し、患者負担は775円(うち一部負担金525円、特別料金250円)から950円(450円、500円)に増加。後発品を使用した場合の負担額との差額は475円から650円に広がる見通しだ。

 

選定療養の導入により後発品使用は促進されているが、需要増による供給停止で医療現場に負担が生じているとの指摘もある。診療側の森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は、「導入から約1年であり、患者負担や供給状況、現場への影響を慎重に検討すべき」と主張した。

 

一方、支払側の松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は「長期収載品と後発品の差額4分の1負担の分布を見ると、ほとんどが1剤当たり50円未満で、全額負担でも200円未満に収まる。長期収載品薬価のG1ルール強化で価格差は縮小する方向なので、後発品使用のインセンティブを高めるため、特別料金の引き上げが必要」とし、選定療養のさらなる推進を求めた。

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出典:薬事日報

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