薬剤師会

会員数ついに10万人割れ~岩月会長「由々しき状態」 日本薬剤師会

薬+読 編集部からのコメント

日本薬剤師会の全国会員数が、2025年10月末時点で前年度比1671人減の9万9666人と、10万人を割り込んだことが分かりました。全国の薬剤師数が約33万人と増加する中、会員数の減少傾向に歯止めがかからず、岩月進会長は定例会見で「由々しき状態」と危機感を募らせました。

日本薬剤師会は、10月末時点での全国会員数が前年度比で1671人減の9万9666人と10万人を割り込んだと公表した。全国の薬剤師数が約33万人と増加する中、会員数の減少傾向に歯止めがかけられておらず、岩月進会長は23日の定例会見で「由々しき状態」と危機感を募らせた。現在、薬剤師会組織のあり方等に関する特別委員会で会員減への対応策について検討を進めており、近く報告書案をまとめる予定だ。

 

学生など特別会員を除いた会員数では、22年度が10万2560人、23年度が10万1222人、24年度が10万0720人、25年度が9万9049人と減少が続いている。都道府県別では兵庫、大阪がそれぞれ223人、217人減少し、北海道、東京も100人以上減らした。これらの都道府県は24年度でも100人以上の減少となっている。

 

一方、前年度から増加したのは滋賀の1人増、沖縄の24人増の2県。滋賀は24年度も前年度比で10人増となっており、2年連続で会員数を増やした唯一の県となった。

 

日薬は、都道府県薬剤師会、地域薬剤師会の3層構造による組織体制を敷いており、日薬会員になるには地域薬への入会が前提になる。岩月氏は「会員にとって会費の支払いなどで3層構造が重荷になっているという声は承知している」と述べた。

 

その上で「日薬、都道府県薬、地域薬で行政のカウンターパートが違うので、3層構造を否定するつもりはない。負担感を軽減しながら、免許を取って働いている人たちに団体の意義を理解してもらうことが大事。地域の目線でどういうことをやればいいのか考えてもらうため特別委員会を設置した」と述べた。

 

今後の対応策として日薬は、新卒薬剤師を対象とした初年度会費無料キャンペーンを来年度に実施するが、岩月氏は「薬剤師会の3層構造を理解してもらい、地域から薬剤師会に参加してもらう人を増やしていくしかない」と強調した。

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出典:薬事日報

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