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【厚労省】セルメ税制で薬局製剤支援 ~ かかりつけ薬局育成狙いも 厚生労働省

薬+読 編集部からのコメント

2026年度税制改正では、スイッチOTC医薬品を対象としたセルフメディケーション税制の恒久化に加え、5年間の適用期限付きで、対象医薬品に薬局製造販売医薬品が追加されることになりました。厚労省には、セルフメディケーション税制を契機に個店の薬局薬剤師が職能を生かして薬局製剤を製造販売し、地域でかかりつけとして患者に選ばれる薬局に育成したい狙いもあります。

2026年度税制改正では、スイッチOTC医薬品を対象としたセルフメディケーション税制の恒久化に加え、5年間の適用期限付きで、対象医薬品に薬局製造販売医薬品が追加されることになった。27年度からは税制対象医薬品の年間購入額が1万2000円を超える場合には、超過部分の金額をその年分の総所得金額から上限8万8000円まで控除することが可能となる。薬局製造販売医薬品を取り扱う薬局が減少する中、厚生労働省には、セルフメディケーション税制を契機に個店の薬局薬剤師が職能を生かして薬局製剤を製造販売し、地域でかかりつけとして患者に選ばれる薬局に育成したい狙いもある。

 


 

27年度からは、スイッチOTC医薬品を対象としたセルフメディケーション税制の5年間の適用期限が撤廃され、恒久化されることになった。租税特別措置として恒久化された制度は、NISA(少額投資非課税制度)に続き2例目となる。

 

5年間の適用期限が設けられているセルフメディケーション税制の対象医薬品には、非スイッチOTC医薬品では消化器官用薬、生薬を有効成分とする鎮咳去痰薬を加えたほか、OTC検査薬と薬局製造販売医薬品が新たに含まれることになった。

 

中でも注目されるのが薬局製造販売医薬品である。薬局製剤は、個々の薬局が独自に製造する医薬品であり、薬剤師が職能を発揮してセルフメディケーションを支援できる地域包括ケアを担う上で重要な手段となる。

 

薬局製造販売医薬品で対象となるのは、鎮痛消炎薬や解熱鎮痛薬など、税制対象医薬品と同じ有効成分を含有するものに限られるが、薬局がセルフケア・セルフメディケーションを推進する大きな一歩としたい考え。セルフケア・セルフメディケーション推進に関する有識者検討会でも、日本薬剤師会の構成員などから税制対象に含めるよう要望が出ていた。

 

財務省との協議に当たった厚労省医政局医薬産業振興・医療情報企画課の松下俊介氏は、「当初、財務省では薬局製剤の存在が十分認識されておらず、説明するところから交渉が始まった」と明かす。

 

その上で、「OTC医薬品を扱うのはドラッグストアが主体だが、薬局製造販売医薬品は個店薬局だからこそ可能であり、大きなアドバンテージになるのではないか」と述べている。また、医薬品の供給不安が生じた際、薬局製剤で対応した薬局の事例も紹介し、「セルフメディケーションの推進だけでなく、安定供給の面でも薬局製剤は期待できる」との考えを示す。

 

しかし、薬局製剤を取り扱う薬局は年々減少しており、日本コミュニティファーマシー協会の会員を対象とした調査でも、薬局製剤に取り組む薬剤師は15.8%にとどまるという。厚労省は「薬局製剤指針に関する検討連絡会議」を設置し、薬局製剤指針の見直しも検討している。

 

松下氏は、薬局製造販売医薬品が5年間の適用期限となっていることから、「この期間に医療費適正化効果を示さなければ、対象から外される可能性がある。ぜひこの機会に薬局製剤に取り組んでいただきたい」と呼びかけている。

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出典:薬事日報

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