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【厚労省 清原薬剤管理官】薬局の立地依存から転換へ ~ ビジョン10年で政策誘導

薬+読 編集部からのコメント

2026年度診療報酬改定について、厚労省保険局医療課の清原薬剤管理官が薬事日報紙の取材に応じ、「立地依存型(門前・医療モール型)から脱却し、地域に根ざした対人業務を担う薬局・薬剤師へ転換してほしい」と意図を説明しました。

厚生労働省保険局医療課の清原宏眞薬剤管理官は、本紙の取材に対し、2026年度診療報酬改定について「立地依存型(門前・医療モール型)から脱却し、地域に根ざした対人業務を担う薬局・薬剤師へ転換してほしい」と意図を説明した。「門前薬局等立地依存減算」を新設した狙いについては、「薬局が多い地域にさらに新規出店が集中しており、このままでは薬剤師・薬局の都市集中、地方空洞化が進み、最終的に患者さんが困る」と強調する。患者のための薬局ビジョン策定から10年が経過した節目のタイミングで、診療報酬による政策誘導に踏み切った。


 

ビジョンでは、25年に「全ての薬局がかかりつけ機能を持つ」、35年には「薬局の立地を門前から地域に移行する」との目標が掲げられたが、かかりつけ薬剤師指導料の算定割合は一桁台にとどまり、処方箋集中率はビジョン策定時より上昇するなど、面分業が進んでいない実態がある。

 

清原氏は「薬局数は過剰と指摘される一方で、薬剤師の偏在や医薬品の不足も続いている。ビジョンで描かれた10年目の姿に対し、このまま放置してしまうと立ち行かなくなる。薬局が立地に根ざした構造から脱却することが今回の改定のメッセージだ」と説明する。

 

調剤基本料の見直しをめぐっては、薬局の立地や地域差を考慮し、改定後に新規出店する薬局の調剤基本料適正化について、東京23区・大阪市に加え政令指定都市も対象とした。薬局過密地域に新規出店し、処方箋集中率が高い門前薬局は減算対象となる。

 

チェーン薬局で構成する日本保険薬局協会(NPhA)は、門前薬局を標的とした適正化を厳しく批判している。これに対し清原氏は「医療DXが進めば門前薬局でもかかりつけ機能は可能であり、対人業務や地域で必要とされる機能など、薬局の“中身”で患者さんに選ばれることが重要であるのは間違いない。ただ、現段階では実態がそこまで至っていないため、過渡的に立地という形式的な部分で整理せざるを得ない」と理解を求めた。

 

また、集中率85%を基準に調剤基本料1と同3-ハを2点増、特別調剤基本料を除くそれ以外の調剤基本料を1点増とした点数整理については、「物価対応として原則横並びで1点増とし、集中率85%以下であればさらに1点加算する考え方とした。今回は大きなメリハリよりも激変緩和を重視した」と説明した。

 

さらに、かかりつけ薬剤師指導料を撤廃し、かかりつけ薬剤師として実施した業務に対して評価する仕組みとして「服用薬剤調整支援料2」(6カ月に1回算定可)には1000点という高い点数を設定した。同加算は、患者・家族の希望や背景を踏まえた薬物療法の個別最適化を実現し、薬剤師が責任を持って主治医に提案する高度な職能を評価するものだ。

 

清原氏は「ルーチン業務では算定は難しい。評価される薬剤師像を明確にした。多くの薬局・薬剤師に目指してほしい」と期待を示した。

 

後発品調剤体制加算を撤廃し、同加算と地域支援体制加算を統合した「地域支援・医薬品供給対応体制加算」については、「後発品調剤体制加算は役割を終えたとの指摘があった。後発品の安定供給の観点から評価すると共に、在庫管理や流通への配慮も評価軸とした」と語った。

 

通常、厚労省医薬局が薬局・薬剤師政策を立案し、それをもとに保険局が診療報酬を組み立てるが、今回は保険局が点数誘導を主導したとの声も上がる。

 

清原氏は、地域医療を「目玉焼き」に例え、「薬局がビジネスを行う際、効率化を考えるとまず黄身から手を付けがちだが、白身の部分には支えるべき患者さんが多く存在する。地域で困難な患者さんを支える薬局・薬剤師が倒れないようにすることが、行政の役割だ」と力を込めた。

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出典:薬事日報

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