COPD治療薬は「不適」 ~ 全団体がOTC化反対 厚生労働省検討会議
厚生労働省の医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議は20日、アストラゼネカの喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤「シムビコートタービュヘイラー」(一般名:ブデソニド・ホルモテロールフマル)のスイッチOTC化に向けた課題と解決策を議論し、OTC化は不適と結論づけた。患者による自己診断が難しく、医師と薬剤師の関与が不可欠などとし、日本OTC医薬品協会を含め、見解を示した4団体全てが「反対」を表明。構成員からも同様の意見が相次いだ。
医療用医薬品はドライパウダー式吸入剤で、気管支喘息、COPDの諸症状緩解を効能・効果とする。重大な副作用としてアナフィラキシー等が報告されているものの、高頻度の副作用は確認されていない。添付文書では、維持療法としての定期吸入は長期管理を目的としているため、毎日規則正しく使用すること、投与中止時は徐々に減量すること、投与期間中のCOPDの急性増悪に対しては医療機関を受診するよう患者に注意を与えることなどが求められる。
今回、受診の手間を省けるとのニーズを踏まえ、咳喘息を効能・効果としてスイッチOTC化に当たっての課題などを議論した。日本呼吸器学会は、同剤のOTC化に「反対」を表明。適正使用には吸入指導や副作用対策など医学的管理が不可欠なこと、咳喘息の診断は除外診断を大前提とし胸部レントゲンで異常がないか確認せずに同剤が使用されると結核や肺癌等の診断が遅れる危険性があるとの見解を示した。
日本アレルギー学会も、医療用では吸入薬指導加算の評価で薬剤師による吸入指導が推進されているが、OTC薬では同様のインセンティブ設定が難しいため不適切な吸入手技で使用される危険性が高いこと、咳喘息は一般市民が自己診断できる疾患でないことなどを指摘した上で、OTC化に「反対」した。
日本OTC医薬品協会も喘息治療の第一選択薬は吸入ステロイド剤であること、同剤は配合剤であるため1成分ごとにOTC化の可否を検討することが適切などとしたほか、日本臨床内科医会も「反対」の見解を示した。
堀恵構成員(ささえあい医療人権センターCOML)は「様々な要件をゆっくりと議論するならOTC化に賛成」としつつ、「自己判断で投与を中止した際に肺癌、肺結核、気管支喘息につながる懸念があり、OTC化には難しい薬。現時点では反対」とした。
富永孝治構成員(日本薬剤師会常務理事)も「診察、処方、投薬という服薬指導の流れの中で出されている。医師による適正管理のもとで処方し、適正使用の中で薬剤師が吸入指導を行う薬」とOTC化に慎重姿勢を示した。
松野英子構成員(日本保険薬局協会副会長)もOTC化に難色を示しつつ、「患者が安定した状況なら診察不要で、薬剤師の指導のもとで使用しても良いとの方向に行けば、様々な医薬品のOTC化につながる。制度の根本的なところを変えていけるよう薬剤師の職能面での努力が必要」とした。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
厚労省の医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議で、アストラゼネカの喘息・慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤「シムビコートタービュヘイラー」(一般名:ブデソニド・ホルモテロールフマル)のスイッチOTC化に向けた課題と解決策について議論され、OTC化は不適と結論づけられました。