ワクチン開発で重点リスト~天然痘、サル痘も対象に
厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会研究開発および生産・流通部会は6日、日本医療研究開発機構(AMED)の先進的研究開発戦略センター(SCARDA)がワクチン開発を支援する重点感染症として、コロナウイルス感染症や季節性インフルエンザが含まれる「呼吸器感染症」など4カテゴリーとするリスト案を了承した。定期的に国内外で流行する既知の感染症が対象となり、厚生労働省はSCARDAに検討結果を報告する予定。
将来的なパンデミックに備え、SCARDAでは重点感染症に対応したワクチン開発や新規モダリティの研究開発を支援することとしている。重点感染症の分類としては、既に厚労省の検討会が公衆衛生危機発生の予見可能性に基づき、X、A、B、C、Dの5グループに分類していた。
この日の部会で厚労省は、SCARDAがワクチン開発を支援する重点感染症のリスト案を示した。
具体的には、▽呼吸器感染症(コロナウイルス感染症、季節性および動物由来インフルエンザ、RSウイルス感染症)▽エンテロウイルス感染症(エンテロウイルスA71/D68感染症)▽蚊媒介感染症(デング熱、ジカウイルス感染症)▽その他の感染症(ニパウイルス感染症、天然痘・サル痘)――とした。
これらは、「定期的または突発的に国内外で一定レベル以上の流行を起こす既知の感染症」が分類されるグループBに属す感染症。同グループを対象とすることで、X、Aに属す感染症による新たなパンデミック発生時にも即応できるよう準備することが必要とした。
Bグループの感染症の中から、先進国でもヒト間感染が容易に起こり得る感染経路を持つもの、有効なワクチンが存在せず、かつ国内に臨床試験段階に進められるシーズが存在しているものといった視点から、対象となる感染症の絞り込みを行った。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
7月6日、厚生科学審議会<予防接種・ワクチン分科会研究開発および生産・流通部会>は、日本医療研究開発機構(AMED)の先進的研究開発戦略センター(SCARDA)がワクチン開発を支援する重点感染症として、4カテゴリーとするリスト案を了承しました。4つの内訳は▽呼吸器感染症(コロナウイルス感染症、季節性および動物由来インフルエンザ、RSウイルス感染症)▽エンテロウイルス感染症(エンテロウイルスA71/D68感染症)▽蚊媒介感染症(デング熱、ジカウイルス感染症)▽その他の感染症(ニパウイルス感染症、天然痘・サル痘)としています。