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バベンチオなどに「脳炎」~重大副作用で添付文書改訂【厚生労働省】

薬+読 編集部からのコメント

厚労省は7月20日、アストラゼネカの抗癌剤「イミフィンジ点滴静注」(一般名:デュルバルマブ)を含む抗癌剤、抗悪性腫瘍剤、入眠剤、不眠症治療剤、睡眠導入剤、造影剤など11品目について、添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう製造販売業者に指示しました。詳細を厚労省発表の「『使用上の注意』の改訂について」で確認しておきましょう。
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000966401.pdf

厚生労働省は20日、アストラゼネカの抗癌剤「イミフィンジ点滴静注」(一般名:デュルバルマブ)など11品目について、添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう製造販売業者に指示した。

 

アストラゼネカのイミフィンジ点滴静注120mg、同500mg(デュルバルマブ)、メルクバイオファーマの「バベンチオ点滴静注200mg」(アベルマブ)の抗癌剤2品目については、「重大な副作用」の項目に、脳炎を追記する。イミフィンジに関する海外症例で、同剤との因果関係が否定できない死亡例が1件報告されたことなどを踏まえた対応。

 

ヤンセンファーマの抗悪性腫瘍剤「ベルケイド注射用3mg」(ボルテゾミブ)では、重大な副作用の項目に、ギラン・バレー症候群と脱髄性多発ニューロパチーを追記する。海外症例で、同剤との因果関係が否定できない症例がギラン・バレー症候群で2件、脱髄性多発ニューロパチーで13件報告されたことから、改訂が適当と判断した。

 

アステラス製薬の入眠剤「マイスリー錠5mg、同錠10mg」(ゾルピデム酒石酸塩)、サノフィの睡眠障害改善剤「アモバン錠7.5、同錠10」(ゾピクロン)、エーザイの不眠症治療剤「ルネスタ錠1mg、同錠2mg、同錠3mg」(エスゾピクロン)、ファイザーの睡眠導入剤「ハルシオン0.125mg錠、同0.25mg錠」(トリアゾラム)については、「禁忌」や「慎重投与」の項目に、同剤により睡眠随伴症状(夢遊症状等)として異常行動を発現したことがある患者を追記。マイスリー錠に関しては、重大な副作用の項目に、死亡を含む重篤な自傷・他傷行為、事故等の報告があることも記載する。

 

米国で非ベンゾジアゼピン系薬剤について、複雑な睡眠行動既往患者への使用を禁忌とするなどの措置が取られたことを踏まえ、国内で添付文書改訂の必要性を検討した結果、今回の改訂内容が妥当と判断した。

 

バイエル薬品の「イオパミロン注」(イオパミドール)、GEヘルスケアファーマの「オムニパーク」(イオヘキソール)、ブラッコ・エーザイの「イオメロン」(イオメプロール)など造影剤3品目については、重大な副作用の項目に、アレルギー反応に伴う急性冠症候群を追記。

 

複数のヨード造影剤に関する国内症例の集積状況を評価した結果、これら3品目については、使用上の注意改訂が必要と判断した。

 

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出典:薬事日報

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