4品目の承認・一変を了承‐「レミケード」後続品を報告
薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は27日、サノフィの関節リウマチ治療薬「ケブザラ皮下注」など4品目の承認と一部変更承認申請を審議し、了承した。日医工とヤクハン製薬の抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「インフリキシマブBS点滴静注用」は、承認品目として審議されたが、先行品である「レミケード点滴静注用」のバイオ後続品にあたるため、報告品目として取り扱われた。
〈審議品目〉
▽ケブザラ皮下注150mgシリンジ、同200mgシリンジ、同150mgオートインジェクター、同200mgオートインジェクター(サノフィ):新有効成分のサリルマブ(遺伝子組み換え)を含有し、既存治療で効果不十分な関節リウマチを効能・効果とする。類薬には、アクテムラ皮下注、レミケード点滴静注用などがある。
用法・用量は、1回200mgを2週間隔で皮下投与する。患者の状態により1回150mgを投与することもできる。再審査期間は8年。海外では米国、カナダで承認されている。
▽ルパフィン錠10mg(帝國製薬):新有効成分のルパタジンフマル酸塩を含有し、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症の皮膚疾患に伴うそう痒を効能・効果とする。類薬には、アレロック、ジルテックなどがある。
用法・用量は、12歳以上の小児と成人には1回10mgを1日1回経口投与する。効果不十分な場合は1回20mgを1日1回経口投与できる。再審査期間は8年。海外では、80カ国以上で承認されている。
▽アクテムラ皮下注162mgシリンジ、同162mgオートインジェクター(中外製薬):有効成分のトシリズマブ(遺伝子組み換え)を含有する抗IL-6受容体モノクローナル抗体。今回、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎の効能・効果を追加した。
用法・用量は、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎に対して1回162mgを1週間隔で皮下注射する。希少疾病用医薬品で、再審査期間は10年。海外では、米国で巨細胞性動脈炎の効能・効果が承認されている。
▽イブランスカプセル25mg、同125mg(ファイザー):新有効成分のパルボシクリブを含有するCDK4/6阻害剤。手術不能または再発乳癌を効能・効果とする。
用法・用量は、内分泌療法剤と併用し、1日1回125mgを3週間連続して食後に経口投与した後、1週間休薬。これを1サイクルとして投与を繰り返し、患者の状態により適宜減量する。再審査期間は8年。海外では33の国・地域で承認されている。
〈報告品目〉
▽インフリキシマブBS点滴静注用100mg「日医工」(日医工)、同「あゆみ」(ヤクハン製薬):有効成分のインフリキシマブ(遺伝子組み換え)を含有する先行品「レミケード点滴静注用100」のバイオ後続品。再審査期間の関係で、レミケードが取得しているベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎、強直性脊椎炎など一部の効能・効果、用法・用量については今回の申請で取得できない。承認品目だが、レミケードのバイオ後続品となるため、報告品目として取り扱われた。
▽アブラキサン点滴静注用100mg(大鵬薬品):有効成分のパクリタキセルについて、追加の用法・用量により胃癌の効能・効果を追加した。胃癌に対する新たな用法・用量として、「1日1回100mg/m2(体表面積)を30分かけて点滴静注し、少なくとも6日間休薬する。週1回投与を3週間連続し、4週目は休薬する。これを1コースとして、投与を繰り返す」との記載を追加した。
再審査期間はなし。海外では、胃癌に関する効能・効果で承認されている国・地域はない。
▽フェソロデックス筋注250mg(アストラゼネカ):有効成分のフルベストラントを含有する抗エストロゲン剤。閉経後乳癌だけでなく、新たに閉経前の乳癌も効能・効果に追加した。CDK4/6阻害剤のイブランスカプセルと併用して投与する。
用法・用量の記載に、閉経前乳癌に対してはLH-RHアゴニスト投与下でCDK4/6阻害剤と併用することを追加した。
再審査期間は、残余の2019年9月25日まで。海外では、乳癌に関する効能・効果が87カ国で承認されており、閉経前乳癌に関する効能・効果では2カ国で承認されている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は27日、サノフィの関節リウマチ治療薬「ケブザラ皮下注」など4品目の承認と一部変更承認申請を審議し、了承しました。
審議品目はケブザラ皮下注、ルパフィン錠、アクテムラ皮下注、イブランスカプセルなど。
抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「インフリキシマブBS点滴静注用」は、「レミケード点滴静注用」のバイオ後続品にあたるため、報告品目として取り扱われました。