創薬・臨床試験

AD治療剤開発を中断‐国際共同PIIIで副作用報告

薬+読 編集部からのコメント

田辺三菱製薬が新規アルツハイマー型認知症(AD)治療剤「エンセニクリン」の国際共同第III相試験の日本パートを中止すると発表しました。海外で重篤な副作用が少数例報告されたためとのことです。

田辺三菱製薬は、米フォーラムファーマシューティカルズと共同で実施していた新規アルツハイマー型認知症(AD)治療剤「エンセニクリン」(開発コード:MT-4666)の国際共同第III相試験の日本パートを中止すると発表した。海外で重篤な消化器系副作用が少数例報告されたのを受け、米FDAからフォーラムに対して、第III相試験の実施保留命令が出されたため。今後、フォーラムが開発を再開するかどうかの判断を行う予定。田辺三菱では、国際共同治験が再開した場合でも参画しない方針で、それとは別に単独で実施している国内治験については開発検討を行う方向。

 

エンセニクリンは、新規α7ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト作用を持った化合物。田辺三菱がエンヴィヴォ(現:フォーラム社)から、日本を含むアジア地域における独占的研究・開発・販売・製造権を取得した。

 

国際共同第III相試験は、米国、欧州、日本を含む地域で、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤の治療経験または現在も治療を受けている約1600人の軽度から中等度の患者を対象としたプラセボ対照無作為化二重盲検試験。田辺三菱も昨年夏から参画し、日本における臨床試験を進めてきたが、今回、重篤な副作用が報告されたのを受け、日本地域における試験を中止することにした。

 

田辺三菱では、それとは別に単独でエンセニクリンの国内第II相試験を実施しており、既に全患者に対する投薬を終了している。今後、国内治験に限って開発継続を検討していく。

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出典:薬事日報

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