BRAF阻害剤「ビラフトビ」など新薬8件の承認を審議へ‐29日に医薬品第二部会
薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は29日、小野薬品の抗癌剤「ビラフトビカプセル50mg」(一般名:エンコラフェニブ)など8件の製造販売承認、一部変更承認について審議する。審議予定品目は以下の通り。
▽ビラフトビカプセル50mg(小野薬品):新有効成分のエンコラフェニブを含有し、効能・効果は悪性黒色腫。希少疾病用医薬品。
▽メクトビ錠15mg(小野薬品):新有効成分のビニメチニブを含有し、効能・効果は悪性黒色腫。希少疾病用医薬品。
▽ビジンプロ錠15mg、同45mg(ファイザー):新有効成分のダコミチニブ水和物を含有し、効能・効果は非小細胞肺癌。優先審査対象品目。
▽ザバクサ配合点滴静注用(MSD):有効成分のセフトロザン硫酸塩とタゾバクタムナトリウムを配合した新医療用配合剤。効能・効果は、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍。
▽コセンティクス皮下注150mgシリンジ、同150mgペン(ノバルティスファーマ):有効成分のセクキヌマブ(遺伝子組み換え)を含有し、新たに「強直性脊椎炎」を効能・効果に追加する。
▽エプクルーサ配合錠(ギリアド・サイエンシズ):有効成分のソホスブビルとベルパタスビルを配合した新医療用配合剤。効能・効果は、C型慢性肝炎、C型代償性肝硬変またはC型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善。
優先審査対象品目で、C型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善を効能・効果とする医薬品は国内で初めて。
▽レベトールカプセル200mg(MSD):有効成分のリバビリンを含有し、エプクルーサとの併用を可能にするため、新たに「C型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果に追加する。迅速審査対象品目。
▽キイトルーダ点滴静注20mg、同100mg(MSD):有効成分のペムブロリズマブ(遺伝子組み換え)を含有し、新たに「高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌」を効能・効果に追加する。条件付き早期承認対象品目。
同日の部会では、ギリアド・サイエンシズの「ビクテグラビルナトリウム」など2品目について、希少疾病用医薬品に指定するかどうかも審議する。
▽ビクテグラビルナトリウム(ギリアド・サイエンシズ):予定される効能・効果は、HIV-1感染症。
▽BCX7353(IDA):予定される効能・効果は、遺伝性血管性浮腫。先駆け審査対象品目。
さらに、中外製薬の抗癌剤「テセントリク点滴静注1200mg」など3品目の一部変更承認について報告が行われる予定。報告品目は以下の通り。
▽テセントリク点滴静注1200mg(中外製薬):有効成分のアテゾリズマブ(遺伝子組み換え)を含有し、効能・効果の非小細胞肺癌について、新たに「化学療法未治療の患者」にも使用可能となる。優先審査対象品目。
▽ヘムライブラ皮下注30mg、同60mg、同90mg、同105mg、同150mg(中外製薬):有効成分のエミシズマブ(遺伝子組み換え)を含有し、効能・効果の先天性血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制について、インヒビターを保有しない患者にも投与が可能となるほか、「2週、4週に1回」に投与間隔を延長した新用量も設定する。希少疾病用医薬品。
▽キイトルーダ点滴静注100mg、同20mg(MSD):有効成分のペムブロリズマブ(遺伝子組み換え)を含有し、効能・効果の悪性黒色腫について、術後補助療法でも使用可能となり、非小細胞肺癌ではPD-L1陽性の発現の有無にかかわらず使用可能となる。悪性黒色腫のみ希少疾病用医薬品で、非小細胞肺癌のみ優先審査対象品目。
>>調剤併設ドラッグストアで働くメリットは?記事を読んでみる
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
「ビラフトビ」「メクトビ」(小野薬品)、「ビジンプロ」(ファイザー)、「コセンティクス」(ノバルティスファーマ)ほか、8件の新薬が承認審議へ。
なかでも、「エプクルーサ配合錠」(ギリアド・サイエンシズ)は、C型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善を効能効果とする医薬品として国内初の事例となります。