創薬・臨床試験

PPI、初の小児適応‐新薬等2件を審議、了承

薬+読 編集部からのコメント

国内初の、小児適応可能なプロトンポンプ阻害薬(PPI)が承認されました。
小児の用法・用量が追加されたのはアストラゼネカのプロトンポンプ阻害薬(PPI)「ネキシウム」。
「胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、Zollinger-Ellison症候群」の効能・効果に小児用量が追加されます。
2日の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会では、そのほかノボノルディスクファーマのノルディトロピンフレックスプロ注5mgなどの効能・効果も追加しました。

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は2日、アストラゼネカのプロトンポンプ阻害薬(PPI)「ネキシウム」に対する小児の用法・用量追加など、2件の承認と一部変更承認を審議し、了承した。小児適応を持つPPIは国内初となる。

 

ネキシウムカプセル10mg、同カプセル20mg、同懸濁用顆粒分包10mg、同懸濁用顆粒分包20mg(アストラゼネカ):有効成分のエソメプラゾールマグネシウム水和物を含有し、「胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、Zollinger-Ellison症候群」の効能・効果に小児用量を追加する。

 

カプセル剤の小児の用法・用量を追加する。胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群の場合、1歳以上の幼児および小児を対象に体重20kg未満では1回10mgを、体重20kg以上では症状に応じて1回10~20mgを1日1回経口投与。

 

非びらん性胃食道逆流症では、1歳以上の幼児および小児に1回10mgを1日1回経口投与する。

 

乳幼児の胃食道逆流現象は多くの場合、成長と共に消失するが、重度心身障害を有する小児などの一部の例では、胃食道逆流現象により食道炎、体重増加不良、反復性肺炎、喘息などを起こし、H2ブロッカーやPPIによる治療が必要となる。

 

現在、小児適応を持つ薬剤はH2ブロッカーしかないため、小児適応を持つ初のPPIとして開発された。小児の推定患者数は成人の約0.3%で8000人程度と推定される。

 

再審査期間は4年。海外では、小児の適応で欧米を含む75カ国以上で承認されている。

 

ノルディトロピンフレックスプロ注5mg、同フレックスプロ注10mg、同フレックスプロ注15mg、同S注10mg(ノボノルディスクファーマ):有効成分のソマトロピン(遺伝子組み換え)を含有し、「骨端線閉鎖を伴わないヌーナン症候群における低身長」の効能・効果を追加する。

 

難病情報センターによると、同疾患は、細胞内のRas/MAPKシグナル伝達系にかかわる遺伝子の先天的な異常によって、特徴的な顔貌、先天性心疾患、心筋症、低身長、胸郭異常、停留精巣、知的障害などを示す常染色体優性遺伝性疾患。

 

同薬剤は、ヌーナン症候群における低身長を効能・効果とする初の薬剤として開発された。

 

出生頻度は1000~1万人に1人で、ノルディトロピンの投与対象となる患者数は491~6867人と推定される。

 

再審査期間は4年。海外では米国を含む5カ国で承認されている。

  • 薬剤師のための休日転職相談会
  • 薬剤師の転職・求人・募集はマイナビ薬剤師/5年連続満足度NO.1

<完全無料>転職やキャリアのご相談はマイナビ薬剤師へ

出典:薬事日報

ページトップへ