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更新日:2020.03.05公開日:2015.06.08 美容&健康トレンド薬剤師兼美容家として活動する花田真理さんが、「薬剤師として知っておきたい美容の知識」「手軽にできるヘアアレンジ」など、“薬剤師と美容”をテーマに語るコラムです。
紫外線の強い季節になってきましたね。日焼け止めや日傘などで紫外線対策を行っている方は多いのではないでしょうか??
紫外線対策をしている皆さん、紫外線についての知識はどのくらいお持ちですか?
「聞かれてみればよくわからない……」という方のために、今回は紫外線の正しい知識についてお話しします!!
紫外線とは?
紫外線とは、太陽から放出される光の一種です。
太陽の光には、目に見える光(可視光線)と、目に見えない光(不可視光線)があります。不可視光線には赤外線や紫外線、X線やガンマ線がありますが、紫外線は太陽の光の中でもっとも波長の短い光です。
紫外線の種類とは?
一言で「紫外線」といいますが、紫外線は波長によってUVA、UVB、UVCに分かれています。
波長の長さはUVA>UVB>UVCの順となり、この中で地上に届くのがUVAとUVB。UVCは地上に届きません。このことから、紫外線対策といえば、「UVA・UVB対策」のことを指します。
また、「UV」とは、紫外線を意味する英単語”ultraviolet”という単語の略です。
UVA、UVBの違いと特徴とは?
UVA(波長:315-400 nm)
UVAは地上に届くすべての紫外線のうち、約95%を占めています。
浸透力が高いため、肌の奥深く(真皮層)まで到達し、肌にさまざまな影響を及ぼします。
UVAが真皮層に到達すると、ヒアルロン酸などを作り出す繊維芽細胞やハリや弾力を生むコラーゲン、エラスチンに損傷を与えます。これはシワやたるみといった肌の老化現象を引き起こすと考えられています。
さらに、UVAは物質を透過しやすく、窓ガラスや雲などで遮断することができません。そのため、曇りの日や家の中でも対策が必要です。
日焼け止めに記載されるUVAに対しての防御効果は、PA+、PA++、PA+++、PA++++といった形で表記されます。
UVB(波長:280-315 nm)
UVBは、地上に届くすべての紫外線のうち、約5%を占めています。
大気層(オゾン層など)で大部分が吸収されますが、一部が地表に到達します。
主に肌の表面で吸収されるので、肌の奥深く(真皮層)まで到達することはほとんどありませんが、UVAより強いエネルギーを持つため人体に与える影響はUVAより深刻です。
UVBは、表皮のDNAや細胞膜を傷つけ、表皮に炎症や火傷といった皮膚トラブルを引き起こします。
また、メラニン色素を増加させてシミやソバカスを引き起こしたり、皮膚ガンの原因になったりします。
しかし、UVBは窓ガラスや雲などで遮断することができます。そのため日傘などで直射日光に当たらないように心がけるだけでも、ある程度防御することができます。
日焼け止めに記載されるUVBに対しての防御効果は、SPFの数値で表記されます。
次回は、具体的な紫外線対策グッズの紹介、日焼け止めの選び方についてお伝えします!
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