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更新日:2020.03.05公開日:2017.03.21 美容&健康トレンド薬剤師兼美容家として活動する花田真理さんが、「薬剤師として知っておきたい美容の知識」「手軽にできるヘアアレンジ」など、“薬剤師と美容”をテーマに語るコラムです。
化粧品といえば「デパートやドラッグストアで販売されている商品」といったイメージがありますが、近年では、調剤薬局でも化粧品を取り扱うところが増えましたね。 化粧品を販売しているということは、調剤薬局の薬剤師であっても「化粧品について患者さんに質問される機会がある」ということです。
患者さん、お客さまから「化粧品は何を買えばいいですか?」「おすすめの化粧品はどれですか?」と聞かれた場合、皆さんはどのように説明しますか? 「薬については自信をもって答えられるけれど、患者さんに化粧品のことを聞かれてもわからない……」などの困ったことにならないように、今回は化粧品の選び方についてご説明します。
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<化粧品を選ぶ際のポイント>
患者さんやお客さまから化粧品の選び方について質問された場合、「その人が求めている・必要としている」化粧品を案内する必要があります。
化粧品は人によって合うもの・合わないものがあるため、一概に「これがおすすめ」 と断言できるわけではありません。
そのため、いくつかのポイントを中心とし、そこから患者さんやお客さまが求めているものを読み解く必要があるでしょう。
その「ポイント」を具体的に説明します。化粧品を購入する際、患者さんやお客さまが気にするのはだいたい下記の6項目ではないでしょうか。- ①肌質
- ②肌の悩み
- ③香りやテクスチャーなどの好み
- ④価格
- ⑤ブランド名
- ⑥キャッチフレーズ
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今回は①「肌質」~②「肌の悩み」について説明します。患者さんやお客さまから化粧品について相談された場合は、参考にしてみてくださいね。
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<化粧品選びのポイント①、②>
①肌質
肌質とは、乾燥肌・混合肌・脂性肌・普通肌・敏感肌といった肌の傾向です。
化粧品は乾燥肌の方には「しっとり」、脂性肌の方には「さっぱり」など使用感が分かれています。まずは患者さんやお客さまの肌質を理解することが大切です。「自分の肌質がわからない」という患者さんへは- ・普段から肌が乾燥するか
- ・脂が出やすくテカリが気になるか
- ・乾燥も気になるけれど部分的にテカリが気になるか
- ・化粧品で刺激を受けやすかったり肌が赤くなりやすいか
などを質問してみましょう。
脂性肌でも常に「さっぱり」した化粧品を使用した方がいいわけではなく、肌の状態によって冬は「しっとり」を使用した方がいい場合もありますし、季節の変わり目に肌荒れしやすい方はその時期だけ敏感肌用を使用するなどの工夫も必要です。このように、季節によって化粧品の使い分けが必要な場合があるので、その旨も説明すると親切でしょう。 -
②肌の悩み
肌の悩みはニキビやシミ、しわ、くすみ、アトピーなど、人によってさまざまです。
どのような症状に悩んでいて、どう改善したいのかなど、患者さんやお客さまの希望を聞くことが大切です。
また化粧品に配合されている成分によっては、使用方法を間違えると意味のないものになる場合もあります。特に美白商品は人気が高いのですが、配合成分によって「シミを薄くできるもの」「シミは薄くできないけれどシミの発生を防ぐもの」などタイプがあります。例えば、ハイドロキノンやビタミンC誘導体はシミを薄くできる成分であり、アルブチンやプラセンタエキスなどがシミの発生を防ぐ成分です。また、レチノールはシワなどの悩みに効果的で、エイジングケア商品に配合されていることが多いです。広告では「シミを消す」などの効果については謳えませんし、美白製品はどのようにシミ対策ができるものか説明していないものがほとんどですが配合成分の特性を考えればわかるものです。
成分の知識がある人であれば、化粧品の選び方や使用方法を間違えることはないと思いますが、患者さんやお客さまの中には化粧品の成分についてよく知らないまま、キャッチフレーズに惹かれて選び、使用しているという方が多いのが現状です。 -
ここまで、化粧品選びと肌質、肌の悩みの関係をお話ししてきました。 化粧品選びのポイントはあと4点。次回は化粧品の香りや価格についてなど、化粧品の「使いやすさ」に関連するポイントをお伝えします。
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