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最新 薬剤師業界のTopicsをラク〜にまとめ読み 医薬NEWS超楽読

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緊急事態宣言が出されるなど新型コロナウイルス感染拡大の渦中にある2020年4月。感染防止策として特例的に認められた「リモート服薬指導」を行う際のポイントと、世界で注目されている「BCGワクチンの有効性」について詳しく解説します。

新型コロナ影響でリモート服薬指導を時限的に導入/BCGワクチンの有効性はまだ不明

ラク~にまとめ読み
  • Topics 1 新型コロナ影響でリモート服薬指導を時限的に導入
  • 新型コロナウイルスの感染拡大防止策としてリモート服薬指導が可能に。備考欄に「0410対応」と記載された処方箋のみが対象で、初診時など患者さんの基礎疾患が正しく把握できない場合は処方日数の上限が7日間となる。
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  • Topics 2 新型コロナ「BCGワクチンの有効性」はまだ不明
  • 新型コロナウイルスの感染状況とBCGワクチン接種の関係についての研究が世界各地で開始されている。現段階では解明されておらず、定期接種以外の接種は健康被害が発生する恐れがあるため推奨されない。
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Topics 1 新型コロナ影響でリモート服薬指導を時限的に導入

世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス――。感染者数は世界で200万人を超え、日本国内でも懸命な対策にもかかわらず感染者数が1万人を突破し(4月21日時点)、今後もさらなる感染拡大が危惧されています。

そうした中、2020年4月16日、全都道府県に対して緊急事態宣言が発出され、他県への移動をはじめとした外出自粛が従来以上に強く要請されるようになりました。ほとんどの方がレジャーや会食など不要不急の外出を控えているはずですが、持病や突発的な体調不良のために医療機関を受診することは避けられません。しかしながら、調剤薬局を含む医療機関は、新型コロナウイルス感染のリスクが高い場所の一つです。そのため、厚生労働省は、新型コロナウイルス感染拡大の防止策として、電話や情報通信機器などを用いたリモートでの診察や服薬指導を時限的・特例的に認めることを発表しました。

本来、調剤薬局での服薬指導は薬剤師と患者さんが対面したうえで行うことが原則です。しかし、十分なスペースが確保できないことも多い調剤薬局での対面指導は、いわゆる「3密」にあたる可能性もあり、感染リスクの懸念がぬぐい去れません。そのため、個々の患者さんの情報や服薬状況などを把握・熟慮したうえで、医師が電話などでの服薬指導が可能と判断すれば、対面によらないリモート服薬指導が認められることになったのです。

ただし、リモート服薬指導ができる薬剤には限りがあるので注意が必要です。対象となるのは、備考欄に「0410対応」と記載された処方箋のみです。今回の厚生労働省の決定では、初診時の診察と服薬指導もリモートで可能とのことですが、患者さんの基礎疾患などが正しく把握できない場合は、処方日数は7日間が上限となります。また、誤った使用によって健康被害を受けやすい麻薬や向精神薬のリモートでの処方は認められません。

終息の気配が見えない新型コロナウイルスへの不安が高まる中、今回の決定を受けてリモート診察・服薬指導を希望する患者さんが増えることが予想されます。薬剤師の皆さんは、リモート服薬指導に関する細かな決まりに目を通し、誤った対応をしないよう注意してください。また、患者さんからの質問に適切に回答できるよう、PubMedなどを利用して日々最新の情報をキャッチアップしていくことも必要です。

患者さんの状態によっては、リモート服薬指導の対象とされている場合でも対面指導に切り替えなければならないことがあると考えられます。電話口で事務的な情報伝達に終始するのではなく、患者さんの理解度などをしっかりと確認し、少しでも問題があれば対面指導に切り替えて服薬アドヒアランス低下を防ぎましょう。

Topics 2 新型コロナ「BCGワクチンの有効性」はまだ不明

日本国内の新型コロナウイルス感染者数は1万人を超え、多くの国民が不安や恐怖を感じているものの、アメリカやヨーロッパと比較すると現時点では感染者数も死亡者数も少ないのが現状です。人の移動が激しい先進国の中で、日本の「人口当たりの感染者数」がかなり少ない背景には、対策や検査実施数などさまざまな議論がありますが、世界からは「BCGワクチンの接種率」が注目を集めています。

BCGワクチンは本来、結核を予防するために開発されたものです。日本では1951年から導入が開始され、現在では乳児期の定期接種に指定されています。正確な接種率は分かっていませんが、多くの国民にBCG接種歴があると考えられます。一方で、結核患者さんが激減していることを背景に、広くはBCG接種を行わない国も増えています。そんな中、アメリカ、イタリア、オランダなどBCG接種を行わない国では、広くBCG接種を行う国と比較して新型コロナウイルスの症例数も多く深刻な影響を受けているとする論文がmedRxivというプレプリントサーバーに投稿されました(ただし査読通貨前のプレプリントである点に留意が必要)。

BCG接種が新型コロナウイルス感染に何らかの影響を与えるかどうかは、明確には解明されていません。しかし、BCGには免疫に関与するT細胞とB細胞の働きを強める作用があり、結果としてウイルスに対する免疫力が高まるとの説もあります。こうしたことから世界でにわかにBCGへの注目が集まっており、新型コロナウイルスとBCGとの関係を調査する研究が多数始まっています。

連日の新型コロナウイルスに関する報道の中でもBCG接種の有効性が紹介されており、医療機関では定期接種の年齢でない成人などの接種希望者が増えていると聞きます。しかし、むやみな接種は思わぬ健康被害を引き起こす可能性があります。また、BCGワクチンは量産が難しいため、本来接種が必要な乳児に行き渡らなくなる可能性も指摘されています。

新型コロナウイルスに対するBCG接種の有効性はあくまで「可能性の一つ」であり、現時点で定期接種以外での積極的な接種は推奨されません。WHO(世界保健機関)も、BCG接種に新型コロナウイルス感染や重症化を予防する効果があるとは認めていません。薬剤師として患者さんと接する中で、BCG接種について問われた際は、現時点では感染予防のための接種の必要はないことを説明するようにしてください。

<参考URL>
電話等による服薬指導の対象が拡大(DI Online、2020年4月11日)
COVID-19に対するBCGワクチンの効果(DI Online、2020年4月10日)

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※この記事に掲載された情報は2020年4月21日(火)時点のものです。

成田亜希子(なりた あきこ)

医師・ライター。2011年に医師免許取得後、臨床研修を経て一般内科医として勤務。その後、国立保健医療科学院や結核研究所での研修を修了し、保健所勤務の経験もあり。公衆衛生や感染症を中心として、介護行政、母子保健、精神福祉など幅広い分野に詳しい。日本内科学会、日本感染症学会、日本公衆衛生学会に所属。

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