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最新 薬剤師業界のTopicsをラク〜にまとめ読み 医薬NEWS超楽読

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上半期につづき、下半期も新型コロナウイルス感染症の影響を色濃く受けた1年となりましたが、改正薬機法の施行など薬剤師にとって転機となる出来事は他にもありました。今回は2020年の医薬業界ニュース・トップ5を振り返ります。

新型コロナ、薬機法、アフターピル……2020年医薬ニュース・トップ5を振り返る

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に席巻された2020年、薬剤師の皆さんは大変な思いをした機会が多かったのではないでしょうか。来年は良いニュースをたくさんお届けできることを願いつつ、2020年下半期の医薬5大ニュースをピックアップし、カウントダウン形式でお届けします。

第5位 薬剤師が主人公のドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」が放送!

7月16日から9月24日にかけて、フジテレビ系列のドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(全11話)が放映され、常時10%前後の視聴率を記録しました。チーム医療の時代になったとはいえ、医療スタッフの中で「影の薄い存在」といわれてきた薬剤師にスポットが当てられたこともあり、放送前から楽しみにしていた方も多かったのではないでしょうか。放送直前の7月5日には、原作の名シーンについてさまざまなキャリアの薬剤師が語り合うオンラインイベント「アンサングを病院×薬局薬剤師で語る会 ver.1」が開催されています。

一般の視聴者からは「病院で働く薬剤師はこんなにも忙しいのか!」「薬剤師が何を考え、何を使命として働いているのか分かった」など、薬剤師という職種の深い理解につながる肯定的な感想が多かったようです。現役の薬剤師からは「きらきらしていた昔の自分を思い出した」「薬剤師の仕事が広く知られてうれしい」といった反応の一方で、「薬剤師の職務の範疇を超えた言動の多さが気になった。ドラマ的な活躍をさせるためには仕方ないのかな……」という声も聞かれました。受け止め方は人それぞれ。皆さんはどう感じたでしょうか?

第4位 処方箋なしでアフターピルの購入が可能に

10月8日、内閣府は、アフターピル(緊急避妊薬)をOTC医薬品として処方箋なしで購入可能とすることを「男女共同参画基本計画」に明記する方針を示しました。アフターピルはすでに多くの国々でOTC化されており、日本は「アフターピル後進国」といわれてきました。医師の診察・処方なしにアフターピルを購入・服用できるようにすることで、対象の女性にとっては時間的ロスが少なくなり心理的な障壁も下がるため、より「緊急」の対応がしやすくなると考えられます。

ここまでの道のりは簡単ではありませんでした。医師を含む有識者の間では「避妊なしでの安易な性交を助長する」「性感染症の蔓延につながる」「転売などの悪用を招く」といった慎重論が少なからずあり、それは今でも大きくは変わっていません。一方で、女性の自己決定権を重視する立場からは、このたびの方針は「歓迎」「むしろ当たり前」と受け止められています。

いずれにせよ、OTC化したアフターピルの販売に際しては、専門研修を受けた薬剤師が説明の上、対面して服用することが条件とされています。薬剤師としてどう関わるべきか、今のうちから考えておきたいものです。

第3位 米国Amazon、処方箋を受け付けて医薬品を販売開始

11月17日、米国Amazonは、オンラインで処方箋を受け付け、消費者向けに医療用医薬品を販売するサービスを開始しました(保険適用可能)。処方箋は医師から直接、あるいは薬局からAmazonまで送付してもらい、その内容の適切性をAmazon側でチェック。問題がなければAmazonの配達網を生かして消費者のもとへ迅速に配達されます。保険適用されない場合でも、「プライム会員特典」として大幅な値引きが受けられるそうです。

米国では45州からサービス展開を始め、順次拡大していく予定ですが、日本での展開については現時点で不明です。ただ、かつて「街の本屋さん」がオンライン書店の登場で経営打撃を受けたように、調剤薬局への影響が気になるところ。続報に注目です。

第2位 改正薬機法施行でオンライン服薬指導解禁&服薬フォロー義務化

オンライン服薬指導は、薬機法改正に伴い、2020年9月から開始されることになっていましたが、COVID-19の影響を受けて時限的対応として「0410対応」が認められたため、現場では予定より早くオンライン服薬指導が始まりました。

ただし、同法において「薬剤師は、調剤した薬剤の適正な使用のため必要があると認める場合には、患者の当該薬剤の使用の状況を継続的かつ的確に把握するとともに、患者又は現にその看護に当たっている者に対し、必要な情報を提供し、及び必要な薬学的知見に基づく指導を行わなければならない」旨が追加されたため、薬剤師の義務として調剤後のフォローアップが必要になりました。これを受けて日本薬剤師会は「薬剤使用期間中の患者フォローアップの手引き」を公表しています。

2020年は、薬剤師にとって、調剤を中心とする対物業務のみならず、薬学の専門家として指導やフォローを行う対人業務の比重がより高まる転換点になった年だったともいえるでしょう。

第1位 COVID-19治療薬・ワクチンの開発競争が激化

新規のCOVID-19治療薬は世界規模での開発競争が展開されていますが、2020年末においてもいまだ状況を一変させるには至っていません。米国では、2つの中和抗体(バムラニビマブ、カシリビマブ/イムデビマブ)について11月に緊急使用許可が出され、軽症から中等症のハイリスク患者を対象に投与されています。低分子抗ウイルス薬としては「MK-4482」の第2相試験が始まっており、同種の薬剤としては最も開発が先行しているとされています。新規治療薬の開発がさらに進むまでは、レムデシビルやデキサメタゾンなどの既存薬を活用して、この危機的な状況をしのいでいくことになるのでしょう。

ワクチンについては、ファイザー社が国内で12月18日に承認申請を行っており、同社が報告する臨床試験データを踏まえて早ければ来年2月中にも承認するかどうか結論が出る見込みです。無事に承認された場合、2月下旬を目途に先行して1万人程度の医療従事者に対して接種を開始する方針を厚生労働省は打ち出しており、それ以降に残る医療従事者約300万人、高齢者、基礎疾患を持つ人などに対象を広げていく見込みです。

<参考URL>
コロナワクチン、国内初の承認申請-田村厚労相「最優先で審査」(薬事日報、2020年12月21日)

※この記事に掲載された情報は2020年12月22日時点のものです。

河村武志(かわむら たけし)

編集者。医療系専門出版社で臨床看護誌・看護学習誌・看護学教科書の企画・編集に携わったのちに独立し、編集プロダクション・ナレッジリングを設立。医学書・医療書の製作と医療系ネットメディアの編集に携わる。

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