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患者さんの心を開く! 服薬指導に欠かせないコミュニケーション実践術

服薬指導で欠かせない患者さんとのコミュニケーション方法の紹介

正しい服薬指導を行うためには、患者さんとのコミュニケーションが第一。患者さんから聞き出したいこと、伝えたいことはたくさんあるのになかなかうまくいかない場合はどうすればよいでしょうか? 患者さんに心を開いてもらうために身につけたいのが「聞く力」。患者さんとの対話をスムーズに行うために、覚えておきたい基本のコミュニケーション術をお伝えします。

態度と心で傾聴の姿勢を示そう

活発なコミュニケーションの基本は、お互いの信頼関係にあります。特に、病気に関する内容はプライベートなことであるため、「自分の話すことが理解されている」「相手(薬剤師)の話には耳を傾ける価値がある」と感じてもらえなければ、心を開けないのも当然のことでしょう。まずは、患者さんの話をしっかり聞く「傾聴」を意識しましょう。
 
ポイントは、全身で相手に向かう姿勢を取ること。アイコンタクトを取りながら、上半身をやや患者さん側に傾けるようにします。前のめりの姿勢からは熱心な態度が伝わります。
患者さんが話し始めたら、気になる点があっても中断しないこと。特に、「でも」「しかし」といった否定的な言葉で区切らないように注意して、患者さんの話が終わるまで静かに傾聴しましょう。
服薬指導を行う場合にも、「お薬をきちんと飲まないと、血圧がまた上がってしまいますよ」というような説得、説教のような話し方はご法度です。これは、心理学用語でいう「ブロッキング」にあたります。ブロッキングによる会話は、感情が表情や態度に出やすく、傾聴を妨げる原因になるといわれています。

共感していることをきちんと患者さんに伝える

傾聴とは、ただ相手の話を聞けばいいというものではありません。相手の話を聞くときに実践したいのが、共感のサインを惜しまずに出すことです。
 
患者さんに「あなたの話をきちんと聞いていますよ」と伝わるように、話の途中であいづちやうなずきを入れることが大切です。
「そうなんですか」「わかります」「おつらいですね」など、共感の言葉を使いながら話を進めましょう。ときどき、患者さんの言葉を繰り返して確認することも効果的です。言葉を反復する際には、部分的に“言い換え”を取り入れるといいでしょう。
 
例えば、患者さんが「おなかがギューッと痛くて、夜中、何度もトイレに行きます。便は水っぽくはないんですけど」と話した場合。「ギューッと痛くて、便も軟らかかったんですね。夜中に何度もトイレに? それは眠れなくて大変でしたね」と確認と共感を交えてみましょう。このような場合、「泥状便だったんですね」のように、専門用語に変えるのはNG。相手に合わせた言葉を選ぶようにします。言葉の反復と同様に、患者さんが楽しそうなときは、自分も笑顔になるなど、表情もまねると共感度は上がります。

患者さんとの会話につまずいたら?

患者さんの話が長すぎてしまうのは困りもの。同様に、聞きたいことが聞けずに終わっても残念な気持ちになってしまいます。
患者さんの話が長引くのは信頼関係が築けている証拠ですが、適度な時間で話を切り上げなければならない場合もありますね。
 
会話を終結させるポイントには、以下の3点があります。

  • ① 話の途中で、内容を薬剤師がまとめる。「だから、うれしいと思われたのですね」といった感情の言葉で締めくくると、共感したまま終了できる。
  • ② 時間がないときには、話を促すあいづちは避ける。
  • ③ 「今日は他にもお待ちの患者さんがおられるので、ごめんなさい」と率直に伝え、その日の話は終わりにする。

 
③の場合は笑顔を崩すことなく伝え、世間話であれば、「続きはまた今度聞かせてくださいね。楽しみにお待ちしています」とつけ加えると患者さんも不満を感じにくく、気持ちよく帰っていただけるでしょう。
 
逆に、まだ話を聞きたいのに、患者さんが黙ってしまう場合もあります。このときは焦らずに、相手から出る次の言葉を待つこと。沈黙は会話の一部として、傾聴のスタイルを維持しましょう。

心と身体をフルに活用して患者さんに対応しよう

納得感のある服薬指導を行うには、患者さんとのコミュニケーションが欠かせません。薬剤師の姿勢によって患者さんとの信頼関係は変わります。薬剤師としての態度や言葉、心をフルに活用して、患者さんの心を開いてもらえるよう、努力しましょう。

【参考URL・書籍】

ドラッグインフォメーション「聞く力&伝えるココロ」 2014 4月号 18~22p

薬歴管理コラム vol.10 何も話してくれない患者さんにどう対処すればいいのか|e-薬剤師セミナー

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