薬剤師のスキルアップ 公開日:2021.06.15 薬剤師のスキルアップ

40代薬剤師の平均年収はどのくらい?年収を上げるコツとプライベートとのバランスのとり方 文:秋谷侭美(薬剤師ライター)

40代ともなれば、子供の教育資金や住宅ローンの返済といった出費が増える家庭も少なくありません。日常生活のなかで、出費が大きくなれば、薬剤師としての年収アップを望むこともあるでしょう。今回は40代の薬剤師の平均年収と年収アップのコツに加え、年収への満足度を高めるポイントついてお伝えします。40代薬剤師の転職事情も合わせてチェックしましょう。

1. 40代薬剤師が持ちやすい年収にまつわる不安や不満

年収に対して不満をもつ理由や背景は人によって異なります。まずは、40代の薬剤師が感じやすい年収にまつわる不安や不満について見てみましょう。

 

1-1. 同世代より年収が低いのではないかと気になる

職場によっては、思ったように昇給しなかったり、役職につけなかったりすることがあります。すると、役職についている同世代の薬剤師や友人と比較して、自分の年収が低いのではないかと気になるかもしれません。昇給率が低く管理職のポジションに空きがないケースでは今後の年収アップが期待できず、職場に対して不安や不満を感じるものです。

 

1-2. 仕事量に対して年収が低く感じる

一方、役職についていながら不満を感じるケースもあります。管理薬剤師や薬局長などの管理職を務めると年収が上がると同時に、業務量や責任が重くなるものです。管理職手当などがついても、労働時間があまりにも長くなると「割に合わない」と感じるかもしれません。特に、通常業務をこなしながら管理職としての仕事が上乗せされる場合には、業務量に対して年収が低く感じる場面が増えるのではないでしょうか。

 

 

1-3. 仕事が体力的に厳しく年収に見合わないと感じる

業務内容によって、年収への不満が生じることもあります。例えば、輸液・経腸栄養剤といった医薬品や洗剤・水などの日用品といった重いものを補充したり、患者さんの自宅まで届けたりするという、体力的に負担がかかる業務です。体力面で業務が「つらい」と感じるようになっても、収入が変わらなければ不満をもつかもしれません。また、仮眠がとれない夜間勤務があるような職場も体力的な負担が大きいため、収入に納得しづらいことがあります。

薬剤師の仕事は知識や経験を使う高度な仕事です。そこに体力的・身体的な負担がかかると、収入が見合っていないと不満を感じることがあります。

2. 40代薬剤師の平均年収はどのくらい?

厚生労働省が行った「令和2年賃金構造基本統計調査」によると、40代薬剤師の平均年収は職業全体と比較してはるかに高いことがわかります。男性薬剤師は40~44歳が670.5万円、45~49歳が749.9万円です。女性薬剤師は40~44歳が557.6万円、45~49歳が605.0万円でした。

 

一方、薬剤師を含む職業全体の平均年収は、40~44歳の男性が605.1万円、45~49歳の男性が653.3万円。一方、女性は40~44歳が449.5万円、45~49歳が468.3万円でした。

 

■40代前半の薬剤師の平均年収と職業全体の平均年収

 

■40代後半の薬剤師の平均年収と職業全体の平均年収

※「所定内給与額」とは、6月分として現金給与額(控除前)から超過労働給与額(時間外勤務手当等)のこと。
※小数点以下第二位を切り捨て。
※年収は同調査における「きまって支給する現金給与額」×12カ月+「その他特別給与額」で算出しています。

 

上記の表からも、薬剤師の平均年収は、全体の平均年収と比べて高いことが分かります。特に、女性薬剤師は職業全体の平均年収よりも100万円以上も高い年収を得ており、女性が働く業種の中では高水準の業種といえるでしょう。

 

3. 働く地域や職場によって薬剤師の年収は変わる

薬剤師の年収は勤務する地域によっても異なります。ここでは、都道府県別に薬剤師の平均年収の傾向を見ていきましょう。

 

3-1. 都道府県別平均年収

厚生労働省が行った「令和元年賃金構造基本統計調査」を参考に、都道府県別平均年収をまとめました。

 

■都道府県別・薬剤師平均年収ランキング

 

平均年収が最も高い都道府県は静岡県で698.6万円、最も低いのは長崎県で428.2万円でした。1位と47位の都道府県の平均年収には、207.4万円もの差があることがわかります。

 

大阪府と東京都の平均年収はそれぞれ558.8万円、553.5万円で19位、、20位と、中間順位よりもやや上位ではあるもののいずれも平均年収を下回っており、首都圏の薬剤師が必ずしも高水準の年収を得ているわけではないという実態も明らかになりました。

 

また平均年収の高低と調査対象の平均年齢にも特別な相関性がみられないことから、年収の地域差は、街の規模や年齢よりも薬剤師の需要と供給のバランスが強く関係していることが推察されます。

 

3-2. 職場別平均年収

マイナビ薬剤師の調査によると、調剤薬局の平均年収は583.8万円、病院薬剤師の平均年収は521.7万円と、調剤薬局のほうが約60万円平均年収が高いことがわかります。

 

40代の薬剤師は、資格や役職の有無など今までのキャリアの積み重ねとなって現れる世代といえます。また、大手製薬会社やドラックストアなどは平均年収が高い傾向にあります。このように職場によって年収水準の傾向はありますが、より年収を上げたい場合には資格取得がおすすめです。資格一覧ページをチェックして気になる資格に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

4. 40代薬剤師が考えたい「納得できる年収」のポイント

さまざまな仕事を任される40代の薬剤師は、業務量や責任の度合いが収入に反映されていると感じられるかどうかで、年収への満足度が変わります。ここでは、40代薬剤師が考えたい「納得できる年収」のポイントについて考えてみましょう。

 

4-1. 昇進や昇給、決定権の交渉をしてみる

管理職は決定権が多いことから、自分のペースで仕事を進めやすくなります。管理職手当がつくだけでなく、働きやすい環境が作れれば、仕事や年収への満足感も得やすくなるでしょう。

管理職であるにもかかわらず一般社員と同様の業務まで担当し業務量の多さに不満を感じる場合には、業務内容について上司に交渉してみるのもひとつの手です。業務調整を行うことで働きやすくなり、現在の年収に納得できるようになるかもしれません。管理職は残業時間が給与に反映されないこともあります。業務量に見合った金額と感じていない場合には、一度、昇給の交渉をしてみてはいかがでしょうか。

 

また、転職によって年収アップを果たした薬剤師もいます。中には201万円以上の年収大幅アップを実現した薬剤師もいて、マイナビ薬剤師のアンケートで紹介されている転職理由や転職活動時のこだわりポイントは参考になるのではないでしょうか。

 

 

4-2. 重視するのは年収?プライベート?自身の状況を見極めよう

一方、転職によって年収が下がったものの、満足度が高い薬剤師もいます。年収ダウンした薬剤師のアンケートも合わせて参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

 

働き盛りの40代には、家庭やプライベートと年収のどちらを優先した働き方をするか、選択するタイミングがあると思います。どんなに年収が高くても、家庭や夫婦関係をないがしろにすると人生の質が落ちてしまうことも考えられます。生活のために、ある程度の収入を得ることが大切ですが、プライベートとのバランスを考え、自分にとって満足のできる年収はいくらくらいなのか、じっくり考えてみてはいかがでしょうか。

5. 40代薬剤師の年収アップのコツ

あれこれ考えてみて、やっぱり年収に納得がいかないのであれば、年収アップを目指して働き方を見直してみましょう。40代薬剤師が年収アップを目指すコツをまとめました。

 

5-1. マネジメントスキルを磨く

40代薬剤師は役職につく機会が増え、若手の育成やエリア全体の統括など、マネジメント力が問われます。身につけてきた経験やスキルをさらに高めつつ、経営に関わる分野も学んでみましょう。エリアマネージャーや研修担当といった経験を積むことで、さらに上のポジションを目指すことができ、こうしたマネジメント経験は転職する際にも好印象につながる可能性が高まります。

 

5-2. 思い切って転職する

現職で交渉をしてみても年収アップが期待できない場合、好転職するのもひとつの方法です。働きながら転職先の情報収集をするのは意外と大変ですから、薬剤師専門の転職エージェントに登録して効率的に情報収集することをおすすめします。

希望の条件をあらかじめ伝えておくと、ぴったりの求人がでてきた際に連絡をもらえます。理想の転職先を見つけるためにも、転職エージェントをうまく活用して情報収集しましょう。

6. 40代薬剤師はスキルや経験で年収が左右する

40代の薬剤師は、スキルやマネジメント経験が年収に影響しやすく、認定薬剤師や専門薬剤師などの資格取得を進めてきた人は、年収にも有利に働いているでしょう。そのため40代の薬剤師はもちろん、20代30代の薬剤師も積極的に資格取得を行うことをおすすめします。プライベートな事情や体力面の事情など、さまざまな変化が起こりやすい40代薬剤師は、自分に合った働き方と納得のできる年収水準を見つけて自分らしい働き方で日々を充実させていきましょう。


執筆/秋谷侭美(あきや・ままみ)

薬剤師ライター。2児の母。大学卒業後、調剤薬局→病院→調剤薬局と3度の転職を経験。循環器内科・小児科・内科・糖尿病科など幅広い診療科の経験を積む。2人目を出産後、仕事と子育ての両立が難しくなったことがきっかけで、Webライターとして活動開始。転職・ビジネス・栄養・美容など幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は家庭菜園、裁縫、BBQ、キャンプ。

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