薬読 編集部より
薬学部の学生向けのテキストでありながら現役薬剤師から好評を博しているという、臨床薬学テキストシリーズ『セルフメディケーション/一般用医薬品・漢方薬・保健機能食品』。ドラッグストアやCROなどさまざまな業態での勤務経験をもち、現在は薬剤師のキャリア支援サービスを提供する株式会社MEDIKLECT代表取締役・柿間隼志さんに、推薦文を寄稿いただきました。
「セルフメディケーション」について網羅的に理解できる
現在の薬学教育モデルは、「モノ」中心から「ヒト」志向へ大きく変革した。
時代の変化に伴い、実践的な臨床能力を有する薬剤師養成のためには、医師との連携による薬物治療の最前線を反映した適切な教科書の発行が望まれる。そのような状況を鑑みて本書は以下の構成を基にセルフメディケーションについて詳しく記載をされている。
1.
薬学と医学のコラボレーションにより、構成内容を精選するとともに、従来の教科書になり医療・臨床的な視点、記述を充実させる。
2.
各巻の編集にあたっては、担当編集者に加えて薬学と医学からゲスト編集者を招き、内容を充実させる。
3.
改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠した内容とし、最新の知識を盛り込む。
4.
冒頭に項目ごとのSummaryを明示し、用語解説、コラム、トピックスなどを適宜組み込み理解の促進を図る。
5.
学習内容、理解度を知るために、国家試験問題の出題傾向をもとに作成した確認問題を掲載している
これらの内容から、医療現場で活躍する薬剤師の座右の書として、広く活躍されることを願い発行された。
推薦したいポイント
地域医療の担い手となる薬剤師にとって今後ますます必要不可欠となる「セルフメディケーション/一般用医薬品・漢方・保健機能食品」について最新知見を盛り込んで詳しく解説してある。
本書を推薦する理由は以下6点である。
・現在の医療体制となるまでの時代背景が反映されているため、時系列的に医療体制を理解できる。
・適度に図が盛り込まれており書籍の内容を理解しやすい。
・OTC医薬品について「配合成分」「注意点」などが詳細に記載されている。
・OTC医薬品の相談対応に必要なコミュニケーションの記載があるため実践的である。
・実在のOTC医薬品が記載されているため、実践的に活かしやすい。
・一般的に難しいとされる漢方について、ボリュームも厚く深く説明されている。
つまり、実践で活躍をされつつ知識を補充したい薬剤師にとっては、まさに必読の書籍であると言える。
薬剤師の自己研鑽のきっかけになる一冊
過去、4年間にわたりドラッグストアにてOTC販売をしていた私でも、販売数が少ない薬や漢方薬については、最前線で仕事をしていたとしても知識が不足していく。その中でもこの書籍を読むことで、自分に欠けてしまった知識の補充や、得意分野の薬の知識を伸ばすことに貢献できる一冊であると考える。
今後の医療業界にはセルフメディケーションの発展は必要不可欠である。薬剤師も医療業界の一員として常に自己研鑽をしつつ、国民の健康に寄与できるような存在であり続けてほしいと思う。
推薦文執筆:柿間隼志(かきま たかし)
薬剤師。株式会社MEDIKLECT 代表取締役。2013年に大学卒業後、大手ドラッグストアにてOTC販売に従事。2017年には大手CROにCRAとして経験を積む。薬剤師としての勤務経験を生かし、薬剤師の転職支援・キャリア開発サービスを提供する株式会社MEDIKLECT(メディクレクト)を2019年に設立。薬剤師のキャリアの幅を広げるために「薬剤師×〇〇」として、薬剤師の免許を活かしつつ様々なスキルを身につけられるようなセミナーや支援事業を展開中。
https://freelance.pharmacist-career.com/