約8割が非薬剤師採用~岩手県内病院で活用進む
岩手県の病院薬剤部門で約8割の施設が非薬剤師の調剤助手を採用していることが総合花巻病院佐藤祐司氏の調査で分かった。退院時薬剤管理指導の実施施設のうち、「ほぼ全ての患者の退院時に対応している」と回答した施設では非薬剤師を採用していた。
日本病院薬剤師会東北ブロック学術大会で佐藤氏が報告した。昨年11月に岩手県の69病院を対象にアンケートを実施し、44病院から回答を得た。
その結果、非薬剤師を採用していたのは35施設(79.5%)だった。事務的業務のみが2施設、調剤補助業務のみが1施設、代行入力業務が5施設、持参薬に関わる業務が6施設あった。
入院時の持参薬鑑別は42施設(95.4%)、退院時薬剤管理指導は38施設(86.4%)が実施していた。退院時薬剤管理指導の未実施施設に理由を聞いたところ、「人員の確保が難しいため」が多かった。
退院時に対応している患者の割合は、最も多かったのは「60~80%」「20%未満」がそれぞれ11施設(25%)、「ほぼ100%」が7施設(16%)、「40~60%」が6施設(14%)となった。ほぼ100%を達成していた7施設のうち、6施設で非薬剤師の採用があった。
退院時薬剤情報連携加算は「実施」が18施設(41%)と未実施の割合の方が高かった。未実施の理由で最も多かったのは「マンパワー不足」で、「点数が低い」「院内体制が整っていない」「病棟担当薬剤師の経験不足」なども挙げられた。
佐藤氏は「非薬剤師の採用施設割合は約80%と高かったが、人数については全ての病床群で東北の平均を下回っていた。中でも400床以上の施設では、100床当たり0.88の数値で1人以上の開きがあり、かなり少ない人員体制にとどまっている」と課題を指摘した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
岩手県内の病院薬剤部門で約8割の施設が非薬剤師の調剤助手を採用していることが判明しました。調査は総合花巻病院の佐藤祐司氏が2022年11月に県内の69病院を対象にアンケートを実施し、44病院から回答を得たものです。退院時薬剤管理指導の実施施設のうち、「ほぼ全ての患者の退院時に対応している」と回答した施設では非薬剤師を採用していました。