約7割が週45時間以上開局~SNS活用は半数以上
日本保険薬局協会(NPhA)は、調剤報酬の地域支援体制加算の要件である営業時間外や休日等の対応実態に関する調査結果をまとめた。それによると、営業時間について「営業時間を平日1日8時間以上かつ土日いずれかの開局かつ週45時間以上開局」の要件を満たしている薬局は全体で74.8%となった。
主な調査結果を見ると、地域支援体制加算の要件である営業時間について「営業時間を平日1日8時間以上かつ土日いずれかの開局かつ週45時間以上開局」(一定基準)を満たす薬局の割合は68.9%だった。一定基準を満たし、年中無休の割合は3.4%、24時間営業は2.2%、年中無休かつ24時間営業は0.3%という状況だった。
24時間対応は「自薬局に24時間体制がある」との回答は50.9%だった。
夜間・休日等の対応実績(2022年7月から23年6月における処方箋受付1万回当たり)がある薬局割合は88.3%に上った。
一方、地域支援体制加算の要件である「400回以上の対応実績」を満たす割合は32.4%となった。「400回以上」を満たす薬局のうち、一定基準を満たす薬局は37.7%、満たさない薬局は16.7%。年中無休もしくは24時間営業でも「400回以上」を満たさない薬局は一定割合あった。
営業時間外や定休日の問い合わせ対応については、実績がある薬局割合は84.2%で、認定薬局および健康サポート薬局は対応回数が多い傾向だった。営業時間外や定休日に、問い合わせ以外の対応実績が1年以内ある薬局は44.3%で、緊急の調剤や在宅訪問など緊急対応、新型コロナウイルスに関する調剤や検査対応などが多かった。
また今回、SNS等を活用したコミュニケーションの実態調査を初めて実施した。情報発信やチャット機能を有するツールをSNSとし、これらを活用したコミュニケーションを行っている薬局は56.0%、そのうち「薬局と患者の双方向のやりとりに活用」は43.5%、「薬局からの情報発信のみに活用」は8.4%、「患者からの問い合わせ応需のみに活用」は4.1%となった。SNS等を活用している薬局の割合と薬局グループの規模に大きな差は見られなかった。
SNS活用のメリットとして、コミュニケーションを円滑に行えることによる経過観察や情報発信などの効率化と質向上を挙げる意見が多く、注意点としては患者のリテラシーに応じて対面や電話対応に切り替えるなど、状況に応じ対応を変えることが指摘された。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
日本保険薬局協会が調剤報酬の地域支援体制加算の要件である営業時間外や休日等の対応実態に関する調査結果をまとめました。営業時間について「営業時間を平日1日8時間以上かつ土日いずれかの開局かつ週45時間以上開局」の要件を満たしている薬局は全体で74.8%となっています。また今回から初めて、SNS等を活用したコミュニケーションの実態調査も実施されています。