薬剤師のスキルアップ 公開日:2023.12.20更新日:2023.12.20 薬剤師のスキルアップ

地域支援体制加算とは?算定要件や2022年度改定のポイントを解説

文:秋谷侭美(薬剤師ライター)

2022年度の診療報酬改定で、「地域支援体制加算」が見直されました。2020年度の改訂では算定点数の引き上げが行われ、2022年度の改訂では、これまで一つの区分のみであった地域支援体制加算が4つに細分化されています。地域支援体制加算が見直される背景には、政府が掲げる「患者のための薬局ビジョン」があります。今回は、地域支援体制加算の目的や見直された背景をお伝えするとともに、算定するための共通要件と4区分の実績要件、地域支援体制加算のQ&Aについて解説します。

目次

1.地域支援体制加算とは?

地域支援体制加算とは、地域医療に貢献する薬局を評価するために設けられた調剤基本料の加算項目です。2022年度の改定以降は、共通の施設基準と、4つの区分ごとに実績要件が細かく定められており、やや複雑な算定項目となっています。
 
地域医療に貢献するには、来局する患者さんだけを対象にするのではなく、医療機関や高齢者施設との連携や在宅医療への取り組みなど、地域に根付いた活動が必要です。
 
加えて、医療機関を受診していない地域住民が気軽に健康相談ができる体制を整え、周知することも求められます。

 

1-1.地域支援体制加算見直しの背景

政府は2015年10月に発表した「患者のための薬局ビジョン」において、「2025年までに、すべての薬局がかかりつけ薬局としての機能を持つこと」、さらに、「薬剤師の業務を対物中心から対人中心にシフトしていくこと」を目標としています。
 
参照:「患者のための薬局ビジョン」~「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ~ を策定しました|厚生労働省

 

これまで薬剤師は、医師が交付した処方箋のチェック機能となる役割を果たしてきました。薬物治療の安全性や有効性が向上するよう、患者さんの服用薬を一元的かつ継続的に把握したうえで、処方チェックや丁寧な服薬指導を実施しています。残薬調整やジェネリック医薬品の利用率などの向上によって、医療費削減にも貢献してきました。
 
一方で、患者さんは受診した医療機関の近くにある薬局で調剤を受けることが多く、場合によっては、在住地での薬局利用ができていないケースもあります。また、薬剤師は対物中心の業務を行っていたため、「十分に薬局の役割が発揮されていない」、「患者さんの負担に見合うサービスを提供できていない」、「医薬分業のメリットが感じられない」といった指摘もありました。
 
さらに、薬歴の記録をすることなく薬剤服用歴管理指導料を算定していた事案や、薬剤師の資格を持たない人が軟膏剤の混合を行っていた事案が発生し、薬剤師や薬局のあり方が大きく問われました。
 
こうした状況から、より薬剤師や薬局が本来の役割を果たせるよう「患者のための薬局ビジョン」が策定されました。2016年度、2018年度、2020年度と行われた診療報酬改定では、「患者のための薬局ビジョン」の実現に向けて、その都度、薬剤師や薬局のあり方が明確化されています
 
その後、2022年度の診療報酬改定では、調剤基本料に加算される地域支援体制加算について、かかりつけ機能をより充実させることで評価されるよう見直されています。

 
🔽 かかりつけ薬剤師について詳しく解説した記事はこちら

2.地域支援体制加算の2022年度診療報酬改定における変更点

2022年度の診療報酬改定では、地域支援体制加算1~4に区分され、効率的・効果的で質の高い医療提供体制を整えた薬局がより評価される内容となっています。地域医療に貢献してきた薬局が高く評価されるようになったことから、今まで以上に地域住民の健康や生活に寄り添った働きが求められるでしょう。
 
地域支援体制加算は調剤基本料の区分によって算定区分が変わります。「地域支援体制加算1、2」は「調剤基本料1」を算定する薬局が該当します。「地域支援体制加算3、4」は処方箋集中率が85%以上の薬局や大型チェーン薬局など、「調剤基本料1以外」を算定する薬局が加算できるものです。
 
要件となる施設基準についても変更がありますが、地域支援体制加算1は前年度の地域支援体制加算とおおむね同等の要件で算定でき、地域支援体制加算2はより多くの要件を満たす必要があります。地域支援体制加算3、4についても細かく算定要件が設定されています。

 
🔽 2022年度調剤報酬改定について詳しく解説した記事はこちら

3.地域支援体制加算に共通する施設基準

地域支援体制加算を算定する際の共通する施設基準は全部で21項目あり、薬局の設備や体制、服薬指導などさまざまな点で細かく定められています。それぞれ詳しく見てみましょう。
 
参照:特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて|厚生労働省

 

3-1.設備・体制に関する共通要件

地域支援体制加算を算定するには、医薬品の備蓄品目数や営業時間、薬剤師の経験などについて、一定基準以上の設備や体制を整えることが求められています。具体的には以下のような要件を満たす必要があります。

 

● 1200品目以上の医薬品を備蓄していること。
● 薬局のみまたは近隣の保険薬局と連携して、24 時間調剤および 在宅業務に対応できる体制が整備されていること。
● 平日は1日8時間以上、土日いずれかで一定時間以上、週45時間以上開局していること。
● 管理薬剤師は5年以上の薬局勤務経験、当該薬局に週32時間以上勤務で1年以上継続的に在籍していること。
● パーテーション等で区切られた独立したカウンターを設置するなど患者さんのプライバシーに配慮すること。また、必要に応じて患者さんや家族などが椅子に座った状態で服薬指導等を行うことが可能な体制を有していることが望ましい。
● 一般用医薬品を販売していること。また、一般用医薬品の販売時には、購入者の薬剤服用歴の記録に基づき情報提供を行い、必要に応じて医療機関へのアクセスの確保を行っていること。
● 医療材料と衛生材料を供給できる体制を有していること。
● 処方箋集中率が 85%を超える場合にあっては、調剤した後発医薬品のある先発医薬品と後発医薬品について、規格単位数量に占める後発医薬品の規格単位数量の割合が当該加算の施設基準に係る届出時の直近3カ月間の実績として 50%以上であること。

 

3-2.24時間対応の周知に関する共通要件

地域支援体制加算を算定する薬局は、24時間体制で調剤や業務などの対応を行っていることを、関連する医療機関や患者さんへ周知しなければなりません。具体的には、次の2点について定められています。

 

● 緊急時に担当者と直接連絡がとれる連絡先電話番号などについて、初回処方箋受付時に患者さんや家族などに説明し文書で交付すること。
● 地方公共団体や保険医療機関、福祉関係者などに、24 時間調剤・在宅業務に対応できる体制であることについて周知活動を行っていること。

 

3-3. 服薬指導に関する共通要件

患者さんへの指導や対応についても、明記されています。

 

● 保険調剤以外の医薬品を含め、 患者さんごとに「薬剤服用歴等の記録」「必要な薬学的管理」「調剤ごとに必要事項を記入」するとともに、記録に基づき「薬剤の服用」「保管取扱いの注意」について必要な指導を行っていること。
● 調剤された医薬品について、「一般名」「剤形」「規格」「内服薬にあっては製剤の特徴」「緊急安全性情報」「安全性速報」「医薬品・医療機器等安全性情報」「医薬品・医療機器等の回収情報」を随時提供できる体制であること。

 

3-4.在宅医療に関する共通要件

地域支援体制加算は地域医療に貢献する薬局を評価する加算項目です。そのため、在宅医療に関する要件についても定められています。

 

● 在宅患者訪問薬剤管理指導の届出を行い、処方医から在宅患者訪問薬剤管理指導の指示があった場合に適切な対応ができるよう、在宅患者に対する薬学的管理指導が可能な体制を整備していること。また、薬局の内側と外側の見えやすい場所に、在宅患者訪問薬剤管理指導を行う薬局であることを掲示し、内容を記載した文書を交付すること。
● 在宅療養の支援に係る診療所または病院及び訪問看護ステーションと円滑な連携ができるよう、患家の同意を得た上で、訪問薬剤管理指導の結果、必要な情報を関係する医療機関や医師、看護師などに文書で随時提供していること。
● ケアマネージャーや、保健医療サービス・福祉サービスとの連携調整をする担当者と連携すること。また、患者の服薬状況に関する相談を受け付けるなど、地域包括支援センターと必要な連携を行うこと。

 

3-5.研修に関する共通要件

薬剤師や調剤従事者にも一定のスキルや知識が求められています。具体的には以下のように明記されています。

 

● 調剤従事者などの資質の向上を図るため、研修実施計画を作成し、計画に基づき研修を実施するとともに、定期的に外部の学術研修を受けさせること。また、薬剤師に対して、研修認定の取得や学会への定期的な参加・発表、学術論文の投稿等を行わせていることが望ましい。

 

3-6.医薬品情報と副作用・有害事象に関する共通要件

薬剤師や薬局は、いつでも最新の医薬品情報を得られる環境を整えておく必要があります。また、副作用や有害事象が起こった場合は都道府県に報告を行うといった対応も求められます。

 

● 医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)に登録し、常に最新情報を薬剤師に周知していること。
● 「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」を「有」として直近一年以内に都道府県に報告していること。(「有」として報告するためには要件あり。)
● 副作用報告に係る手順書を作成し、報告を実施する体制を整備していること。

 

3-7.地域医療への貢献に関する共通要件

地域支援体制加算を算定する薬局は、処方箋を持参する患者さんだけでなく、地域住民の健康に貢献できる活動を行うよう求められます。

 

● 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、こころの健康づくり、飲酒、喫煙など生活習慣全般に係る相談についても応需・対応し、地域住民の生活習慣の改善、疾病の予防に資する取組を行うといった健康情報拠点としての役割を果たすこと。
● 健康相談または健康教室を行っていることを薬局の内側と外側の見えやすい場所に 掲示し、周知していること。

4.地域支援体制加算の実績要件

2022年度の診療報酬改定では、算定区分ごとに実績要件を定めています。「1薬局当たりの年間の回数」は地域支援体制加算1、2の実績要件、「処方箋受付1万回当たりの年間回数と、薬局当たりの年間回数」は地域支援体制加算2、3、4の実績要件となっています。それぞれの実績要件について詳しく見ていきましょう。

 

4-1.1薬局当たりの年間の回数

地域支援体制加算の実績要件「1薬局当たりの年間回数」は以下の通りです。

 

【1薬局当たりの年間回数】
① 麻薬小売業者の免許を受けていること
② 在宅薬剤管理の実績 24回以上
③ かかりつけ薬剤師指導料等に係る届出を行っていること
④ 服薬情報等提供料の実績 12回以上
⑤ 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議に1回以上出席
 
※参照:令和4年調剤報酬改定の概要(調剤)|厚生労働省

 

2022年度の改定では、②「在宅薬剤管理の実績 24回以上」について、在宅の要件が12件から24件に倍増されました。
 
なお、在宅患者オンライン薬剤管理指導料及び在宅患者緊急オンライン薬剤管理指導料の件数は、在宅薬剤管理の実績件数から除かなければなりません(厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」より)。

 

4-2.処方箋受付1万回当たりの年間回数と薬局当たりの年間回数

地域支援体制加算の実績要件(①~⑧は処方箋受付1万回当たりの年間回数、⑨は薬局当たりの年間の回数)は以下です。

 

【処方箋受付1万回あたりの年間回数】
① 夜間・休日等の対応実績 400回以上
② 麻薬の調剤実績 10回以上
③ 重複投薬・相互作用等防止加算等の実績 40回以上
④ かかりつけ薬剤師指導料等の実績 40回以上
⑤ 外来服薬支援料の実績 12回以上
⑥ 服用薬剤調整支援料の実績 1回以上
⑦ 単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理の実績 24回以上
⑧ 服薬情報等提供料の実績 60回以上

【薬局当たりの年間回数】
⑨ 薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議に5回以上出席
 
※参照:令和4年調剤報酬改定の概要(調剤)|厚生労働省

 

これらのカウント方法について、2022年度の改定で、「薬剤師1人当たり」から「処方箋受付1万回当たり」と変更されました。これは、薬剤師を増員した薬局や、薬剤師1人当たりの処方箋受付回数が少ない薬局に配慮されたものといわれています。
 
なお、直近1年間の処方箋受付回数が1万回未満の場合は、処方箋受付回数1万回とみなします(厚生労働省「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」より)。
 
⑦「単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理の実績 24回以上」についても、2022年度の改定で在宅の要件が12件から24件に倍増されました。⑦は単一建物診療患者が対象となっている点が、「1薬局当たりの年間の回数」における②「在宅薬剤管理の実績 24回以上」との違いです。また、在宅協力薬局として連携した場合が含まれますが、同一グループ薬局に対して業務を実施した場合は除かなければなりません。

 

4-3.コロナ禍における在宅薬剤管理の実績について

厚生労働省事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その63)」では、次のような臨時で行った在宅での服薬管理指導についても、実績回数に加えられることが疑義解釈で明記されています。
 
※2022年度診療報酬改定時点の情報をもとに記述しています。最新情報は厚生労働省「新型コロナウイルス感染症に関する特例措置について」等から確認してください。
 
参照:新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その63)|厚生労働省
参照:疑義解釈資料の送付について(その1)|厚生労働省

 

【ケース1】
自宅・宿泊療養を行っている人に対して発行された処方箋を受け付けた保険薬局の薬剤師が、保険医の求めにより緊急に薬剤を配送し患者さんに対面で服薬指導をした場合は、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料1(500点)を算定できます。
 
【ケース2】
患者さん本人に対して電話や情報通信機器を用いて服薬指導を行った場合、または患者家族に対して対面または電話などで服薬指導を行った場合も在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料2(200点)を算定できます。

5.地域支援体制加算1~4の点数と実績要件

続いて、地域支援体制加算1~4の点数とそれぞれの実績要件について詳しく見ていきましょう。

 

5-1.地域支援体制加算の点数

地域支援体制加算は区分ごとに、次のように点数が定められています。

区分 点数
地域支援体制加算1 39点
地域支援体制加算2 47点
地域支援体制加算3 17点
地域支援体制加算4 39点

 

5-2.地域支援体制加算1の実績要件

地域支援体制加算1の算定点数は39点です。調剤基本料1を算定している薬局は、「1薬局当たりの年間の回数」の要件のうち、1、2、3を満たしたうえで、4、5のいずれかの要件を満たす必要があります。

 

1.麻薬小売業者の免許を受けていること
2.在宅薬剤管理の実績 24回以上
3.かかりつけ薬剤師指導料等に係る届出を行っていること
4.服薬情報等提供料の実績 12回以上
5.薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定制度等の研修認定を取得した保険薬剤師が地域の多職種と連携する会議に1回以上出席

 

5-3.地域支援体制加算2の実績要件

地域支援体制加算2の算定点数は47点で、地域支援体制加算1の要件を満たした薬局が、より地域医療に貢献することを評価する目的で設定されたものです。上述した実績要件の①~⑨のうち、3つ以上を満たすことで算定できます。
 
なお、地域支援体制加算の届出を行っている調剤基本料1を算定する保険薬局が、地域支援体制加算2の新規届出を行う場合、地域支援体制加算1の実績を満たすことを改めて示す必要があります(厚生労働省事務連絡「疑義解釈資料の送付について(その1)」より)。

 

5-4.地域支援体制加算3の実績要件

地域支援体制加算3の算定点数は17点です。調剤基本料1以外の薬局が、麻薬小売業者の免許を受けているうえで、実績要件①~⑨のうち、「④かかりつけ薬剤師指導料等の実績 40回以上」と「⑦単一建物診療患者が1人の在宅薬剤管理の実績 24回以上」を含む3つ以上を満たすことが要件となっています。

 

5-5.地域支援体制加算4の実績要件

地域支援体制加算4の算定点数は39点で、調剤基本料1以外の薬局が、実績要件の①~⑨のうち、8つ以上を満たすことが要件となっています。

6.地域支援体制加算の届出

地域支援体制加算の施設基準に係る届出は3種類あります。
 
「地域支援体制加算1~4の共通書類」と、「地域支援体制加算1,2の届出を行う際の書類」、「地域支援体制加算3,4の届出を行う際の書類」です。共通書類には4種類の添付書類が、各書類には記載上の注意事項があります。届出に記載する際はよく確認するようにしましょう。

7.地域支援体制加算に関するQ&A

地域支援体制加算の届出や算定を正しく行うには、各区分の要件について理解する必要があります。ここでは『保険調剤Q&A 令和4年版』(日本薬剤師会・編)や「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(厚生労働省)に記載されている内容をQ&A形式で紹介します。

 

7-1.地域支援体制加算の施設基準である「地域の多職種と連携する会議」とは、どのような会議ですか?

「地域の多職種と連携する会議」とは、地域支援体制加算の実績要件の項目の一つに記載されているもので、次のような会議が該当するとされています。

 

● 市町村または地域包括支援センターが主催する地域ケア会議 ※1
● 介護支援専門員が主催するサービス担当者会議 ※2
● 地域の多職種が参加する退院時カンファレンス

※1 介護保険法第115条の48で規定されているもの
※2 指定居宅会議支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成11年厚生労働省令第38号)第13条第9号で規定されているもの

 

7-2.「地域の多職種と連携する会議」は非常勤の薬剤師が参加しても含められますか?

非常勤の薬剤師が参加したものも含められます。ただし、複数の薬局に所属する薬剤師の場合、実績として含められるのは1か所の薬局のみとされています。

 

7-3.開局時間「週45時間以上開局」の規定について、祝日を含む週の開局時間はどのように考えますか?

地域支援体制加算の施設基準における開局時間は、「平日は1日8時間以上、土曜日または日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局し、かつ週 45 時間以上開局していること」と定められています。祝日の考え方としては、国民の祝日に関する法律に規定する休日と、1月2日、3日、12月29日、30日、31日が含まれる週以外の週の開局時間で要件を満たすかを判断することとされています。
 
参照:国民の祝日に関する法律|e-Gov法令検索

 

7-4.開局時間について「土曜日または日曜日のいずれかの曜日に一定時間以上開局」とあるが、「一定時間以上」とは具体的に何時間必要ですか?

地域支援体制加算の開局時間の要件については、地域住民のために必要な時に調剤や相談に応じられる体制を取っていることを評価したものです。そのため、具体的な開局時間は定められていません
 
開局時間については、算定要件を満たすことを目的に開局することは避け、地域の医療機関や患者さんの需要に対応できるよう設定することとされています。

 

7-5.患者さんのプライバシーへの配慮とは、具体的にどのような対応が必要ですか?

治療に関する情報は患者さんのプライバシーにかかわるため、会話のやり取りが他の患者さんに聞こえないように配慮する必要があります。
 
複数のカウンターがある薬局では、両サイドにパーテーションで区切るといった対応が考えられます。待合室とカウンターの距離が短い場合には、十分な距離がとれるよう椅子の配置を工夫することも必要です。

 

7-6.連携する薬局の要件である「近隣」に定義はありますか?

地域支援体制加算の施設基準では、「24時間調剤・在宅対応体制の整備」が求められており、単独または近隣の保険薬局と連携することで要件を満たすこととされています。
 
この場合における「近隣」については、薬局間の距離等は定められておらず、「地域における患者さんの需要に対応できること等が必要」とされています。

 

7-7.調剤従事者等の資質向上のための研修とはどういった研修が含まれますか?

施設要件として、「調剤従事者等の資質の向上を図るため、研修実施計画を作成し、当該計画に基づき研修を実施すること」と定められており、この研修には次のものが該当します。

 

● 地域の薬剤師会による研修
● 研修認定薬剤師制度の対象学会やセミナー

 

研修時間や講師については規定がありませんが、研修に使用した資料は必要に応じて参照できるよう保存・管理することが求められています。

 

7-8.地域支援体制加算は時間外加算の対象になりますか?

地域支援体制加算は時間外加算の対象となります。時間外加算、休日加算、深夜加算を算定する場合の基礎額(調剤基本料+薬剤調整料+調剤管理料)には、地域支援体制加算、後発医薬品調剤体制加算、無菌製剤処理加算、在宅患者調剤加算が含まれています。

8.地域医療に貢献してかかりつけ機能の充実を

地域支援体制加算の算定要件から、薬局や薬剤師は患者さんが24時間いつでも相談できるよう薬や健康の専門家であることが求められています。加えて、積極的に多職種と連携をとり、地域で患者さんの健康をサポートする必要があります。
 
政府が掲げる「患者のための薬局ビジョン」を今一度確認し、求められる薬剤師像・薬局像に沿った活動を行うことで、今後の改定にも対応できる体制を整えましょう。

 
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参考書籍

■ 日本薬剤師会・編『保険調剤Q&A 令和4年版』(じほう、2022年)


執筆/秋谷侭美(あきや・ままみ)

薬剤師ライター。2児の母。大学卒業後、調剤薬局→病院→調剤薬局と3度の転職を経験。循環器内科・小児科・内科・糖尿病科など幅広い診療科の経験を積む。2人目を出産後、仕事と子育ての両立が難しくなったことがきっかけで、Webライターとして活動開始。転職・ビジネス・栄養・美容など幅広いジャンルの記事を執筆。趣味は家庭菜園、裁縫、BBQ、キャンプ。

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