


Q185 病院で面接を受けるときのマナー

Q185 病院で面接を受けるときのマナー




前日までに準備を整え、当日の流れを確認しましょう
そこで大切なのが、前日までの準備です。たとえば、前日の夜になって、スーツやシャツのクリーニングが必要とわかれば慌てますよね。遅くとも前日のお昼ごろまでに服装や持ち物、病院までのアクセスなどについて確認しておきたいところです。訪問時の流れについて不明な点があれば、あらかじめ担当者に問い合わせておくとよいでしょう。
次に、面接当日に注意したいポイントを、順を追って見ていきましょう。まず、服装はスーツ着用が基本です。病院内に入る前に身だしなみをチェックしましょう。コートを着用する時期は、病院に入る前に脱いで手に持ちます。携帯電話やスマートフォンは、電源を切るかマナーモードにすることを忘れずに。持ち物については、メモ帳や筆記用具のほか、指示があった場合は履歴書などの必要書類も持参しましょう。
病院には、余裕を持って10~15分前に到着することをおすすめします。悪天候などによる交通機関の遅延や、車で行く場合は渋滞、駐車場の混雑なども考慮して、早め早めの行動を心がけると安心です。

病院に着いたら、指定時間の5分前を目安に受付します。調剤薬局と異なるのがこの受付です。病院には、受付窓口がある場合がほとんどです。担当者から特別な指示がなければ、患者さん用の出入口から入って、受付で面接に来たことを伝えます。受付スタッフは来院者の身だしなみや挨拶などをよく見ていますから、病院に入ったときからすでに面接が始まっていると考えて気を引き締めましょう。
受付では、「本日○○時に、○○様(担当者名)と面接のお約束をいたしました、薬剤師の○○と申します。○○様はいらっしゃいますでしょうか」のように、落ち着いて「訪問理由、名前、約束時間、担当者名」を伝えます。交通機関のダイヤ乱れなどでやむを得ず遅刻してしまう場合は、遅刻することがわかった時点ですぐに病院に連絡しましょう。メールやSMSなどは担当者がすぐに見るとは限らないので、電話で伝えるのが確実です。
また、受付後に患者さんが利用する廊下や待合室などで待機するよう案内された場合、周囲への配慮が欠かせません。目を閉じたり、居眠りをしたり、用もなくスマートフォンを触ったり、周囲の人と大きな声でおしゃべりしたりせずに、背筋を伸ばして静かに待ちましょう。
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入室から面接終了後までのマナーをおさらいしましょう

1.入室
面接室に入る際は、ドアを3回ノックします。「どうぞ」という声が聞こえてから、「失礼いたします」と言って中に入ります。入室の際は、面接官にお尻を向けないように注意しながらドアを閉めましょう。
次に、名前を名乗ります。「○○○○と申します。よろしくお願いいたします」と明るく笑顔で挨拶し、「本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます」などと面接の機会をもらったお礼を伝えて、お辞儀します。
面接官から着席の指示があれば「失礼いたします」と言って着席します。バッグは、イスの脇に立てておきましょう。また、履歴書を持参する場合、このタイミングで担当者に渡すことが多いため、すぐに取り出せるよう用意しておきましょう。
2.面接中
面接中はゆっくり、大きな声で話しましょう。緊張すると早口になったり、声が小さくなったりしがちです。落ち着いて丁寧に話すことを意識しましょう。
また、病院で面接を受けるにあたって押さえておきたいのが、病院の敬称の使い分けです。履歴書など書き言葉では「貴院(きいん)」、面接などの話し言葉では「御院(おんいん)」が正しい使い方です。日ごろ使い慣れない言葉なので、本番前に声に出して練習しておくと本番でもスムーズに使えるでしょう。なお、自分の所属先については敬称を使わず、「現職」「前職」といった表現を用います。
面接では、話す内容だけでなく、面接中のマナーも見られています。椅子に座る際は背もたれに寄りかからず背筋を伸ばし、明るい笑顔を意識して、面接官の目を見て話しましょう。面接官の話を聞くときは、相づちやうなずきを入れながら、真剣に話を聞く姿勢で臨みましょう。
3. 面接終了後
着席したまま「本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございました」とお礼を伝え、お辞儀します。席を立ったら、出口のところで面接官の方を振り向き、「ありがとうございました。失礼いたします」と言って、もう一度お辞儀します。
面接が終わってからも、病院を出るまで気を緩めないことが大切です。面接室を出たとたん、スマートフォンを触ったり、髪をほどいたりすれば、そんな様子を職員が見ているかもしれません。職員とすれ違ったら挨拶し、病院を出る時は振り返って再度お辞儀をすると好印象です。
以上が基本的な面接の流れと注意点になります。面接への苦手意識が強い人は、あらかじめ面接の練習をするといいでしょう。スマートフォンで撮影したり、家族や友人に見てもらったりして、自分の話し方の癖や姿勢をチェックして改善できれば、自信を持てるようになるはずです。初めてで緊張するのは仕方ないことですが、事前準備をしっかり整えて面接に臨むことで、気持ちにも表情にも余裕が生まれると思います。頑張ってください。



株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/


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