厚労省 大井企画官「地域で使われる制度に」 ~ 健康増進支援薬局の法制化
厚生労働省医薬局総務課薬局地域機能推進企画官の大井恒宏氏は、本紙の取材に対し、医薬品医療機器等法改正により来年5月までに施行予定の「健康増進支援薬局」に関する制度設計の方向性について、「看板ではなく、地域で実際に使われる制度にする必要がある。今後の基準検討では地域住民への分かりやすさを最優先し、いつ何をどのように相談できるのかを利用者の視点で明確に示したい」と述べた。地域で在宅対応を担う薬局として見直しを行う地域連携薬局を含め、「中長期的には制度を育て、薬局を地域のインフラにしたい」と意欲を示す。
昨年9月末時点で、各都道府県への届出制だった健康サポート薬局は3265件にとどまっている。薬機法改正により、健サポ薬局は健康増進支援薬局に移行し、都道府県知事による認定制となる。厚労省では現在、省令案の作成が進められている。
もともと、住民が相談できる薬局を選びやすくすることを目的としていた健サポ薬局制度だが、「どう使えば良いのか分かりにくい」との指摘が寄せられていた。処方箋を持って来局する患者が多い中、大井氏は「『相談できるのは分かるが、何をいつ相談すれば良いのか分からない』という声を現場から聞く。健康相談を行うといっても、利用者の視点では相談の入口が見えにくかった」と健サポ薬局の活用が進まない背景を説明する。
今回、健サポ薬局を健康増進支援薬局として認定薬局に格上げすることで、地域で活用できる制度に再構築する。大井氏は「制度として地域住民が薬局に相談する入口を作り、相談体制があるだけでなく、住民が迷わず利用できる導線を作ることが結果として利用促進につながる。薬局の機能は使われて初めて価値になる」と述べ、利用者目線で制度を再設計する考えを示した。
一方、在宅を担う薬局として認定基準を見直す地域連携薬局は、「地域住民に加え、行政や医療・介護関係者に機能を理解してもらうことがカギになる」と強調する。入退院時の情報連携、在宅対応、夜間・休日対応など、地域で薬局が果たす役割は多岐にわたるが、「行政や医療チームの中で体制が十分に共有されていなければ、地域で活用されにくい。地域連携薬局が何ができるかを関係者が具体的に理解できる形に整理し、連携が自然に生まれる環境を整える必要がある」と語った。
健康増進支援薬局・地域連携薬局の認定基準の内容については、「体制要件を満たすことだけが目的とならないようにすることが重要。体制要件に加えて、地域での実装や活用を意識した整理を行い、必要に応じて実績の考え方も検討することが現実的」とし、全国一律ではなく地域の実情に配慮した基準づくりの方向性を示した。
また、認定薬局が乱立しないよう地域で選出すべきとの意見には「基本的には各薬局の手挙げが出発点。やる気と覚悟を持つ薬局が主体的に取り組むことが制度を育てる上で重要だ。その上で地域で協議し、認定薬局を活用しやすい環境を整えていくことが大切」と話す。
認定薬局数の目安に関しては、「現時点では全国一律の目標数を設定する段階には至っていない。認定薬局の数の議論より、役割の理解が先決だ」と話している。
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出典:薬事日報



薬+読 編集部からのコメント
厚労省医薬局総務課薬局地域機能推進企画官の大井恒宏氏が薬事日報紙の取材に応じ、薬機法改正により2027年5月までに施行予定の「健康増進支援薬局」に関する制度設計の方向性について「地域で実際に使われる制度にする必要がある」とコメントしました。