薬剤師業務の変革推進へ ~ 2040年問題で連携協定 東京薬科大学、トランスコスモス
東京薬科大学は、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)大手のトランスコスモスと、「2040年問題に向けた薬剤師業務の変革推進に関する連携協定」を締結した。医療需要の増大と医療従事者不足が同時に進行する40年問題に対応するため、両者は薬剤師不足が深刻化する地域における薬剤師業務の変革を主なターゲットに据え、薬剤師業務の効率化を支援する新たなサービスに関する研究を行うほか、薬学の専門知識とDX・BPOの知見を融合させた教育・研究を通じ、変化する医療環境に対応できる次世代人材の育成を目指す。
協定では、▽薬剤師業務の効率化を支援する新たなサービスに関する研究▽DX・BPOの知見を活用した薬学教育プログラムの開発▽教育・研究を通じて変化する医療環境に対応できる人材育成――に取り組むことで合意した。同社はAIを活用したBPOを強みとし、様々な業界で業務プロセスの改善を進めてきた実績を有する。
今回、同社が有するBPOの事業ノウハウと、同大が企業や自治体との連携を通じて収集してきた各地の地域医療に関する知見や経験を組み合わせ、薬剤師不足地域の業務変革につながる新たなサービスの研究を進める。
具体的な内容は今後詰めていく方針だが、同大薬学部の益山光一教授は「地方の薬剤師は人手不足を理由に多様な業務に忙殺されている。現段階で明確な答えがあるわけではないが、共に考えていきたい」と語る。
その上で、効率化が可能な薬剤師業務の一例として「薬局に対する電話での問い合わせ対応」を挙げた。「電話対応によって調剤業務が滞ってしまうという声を聞く。薬局への問い合わせ内容に関する情報を収集・蓄積し、対応の効率化や改善につなげられないかは検討すべき課題だ」との認識を示した。
また、トランスコスモスのDXやBPOの知見を活用した薬学教育プログラムの開発を通じ、次世代人材の育成も図る。同社は、長年のサービス提供で培った知見を土台に、生成AIを用いた教育支援ツールを有しており、例えば薬局実習前に学生が患者対応業務を疑似体験できる仕組みなど、新たな薬学教育プログラムへの活用も想定されている。
24年4月から改訂薬学教育モデル・コア・カリキュラムが適用されている。益山氏は「40年問題を意識した教育体制の充実が必要」と指摘し、協定を契機に「40年問題に関する課題抽出を行い、学生に伝えるだけでなく、薬学教員自身が新コアカリを見据えて意識していくことが重要になる」と訴える。
同大は、既に高知県と地域に貢献できる薬剤師などの人材育成に向けた連携協定を結んでおり、薬剤師不足に直面する地域医療の現状を学生が学ぶ機会を提供してきた。
益山氏は「トランスコスモスとの連携を通じ、薬局・薬剤師業務においてもBPOなどを活用できる可能性を探っていきたい」と話している。
出典:薬事日報


薬+読 編集部からのコメント
東京薬科大学が、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)大手のトランスコスモスと「2040年問題に向けた薬剤師業務の変革推進に関する連携協定」を締結。薬剤師不足地域の業務変革につながる新たなサービスの研究を進めます。