


Q196 マイナ保険証に資格確認書……制度変更をわかりやすく説明するには?

Q196 マイナ保険証に資格確認書……制度変更をわかりやすく説明するには?




自分の言葉で説明できるように、制度への理解を深めましょう
新しいシステムになかなかなじめない患者さんは少なくないため、複雑な制度や言葉をわかりやすく説明するためのポイントについて考えてみたいと思います。
まず大切なのは、自分自身で制度への理解を深めること。患者さんによって理解度が異なりますから、伝える相手の状況に応じて自分の言葉で説明できるようになれると理想的です。
たとえば、「薬機法改正」「調剤報酬改定」などの専門用語は、患者さんには難しく感じられる場合が多いため、できる限り日常で使われるわかりやすい言葉に置き換え、「法律が変わりました」などと説明すると受け入れてもらいやすいでしょう。家族や知り合いの中に、薬局の主な利用者層と近い属性の方がいれば、試しに説明して反応を見てみることで、自身の説明がわかりやすいかどうかを確認できます。
電子処方せんやマイナ保険証・資格確認書については、厚生労働省が公開しているトークスクリプトやよくある質問集、周知素材なども参考になりますので、確認してみるといいでしょう。
参考:オンライン資格確認に関する周知素材について|厚生労働省
次に、説明する際は言葉だけでなく、可能であれば資料を見せながら説明することを心がけましょう。あらかじめ図やイラスト入りの資料を用意しておき、説明箇所を示しながら話をすると、難しい言葉や複雑な制度も理解しやすくなります。
なお、患者さんに直接説明するのはもちろんですが、薬局内にポスターやPOPを掲示したり、リーフレットを用意したり、厚労省・デジタル庁が公開している動画を待合室で流してみたりして、待ち時間に患者さんが自由に見られるよう工夫することも効果的です。さまざまなアプローチで周知を試みて、患者さんが身近なこととして受けとめられるような環境を作っていくことが大切です。
参考:広報資料|デジタル庁
3つ目のポイントは、患者さんの立場になって、制度変更によるメリット・デメリットを説明すること。いくらわかりやすく説明しても、患者さんが自分に関係のあることとして受けとめられないと、実際の行動にはつながりにくいものです。
制度変更が患者さんの受診や治療にどのような影響を与えるのかがわかれば、患者さんも興味を持って話を聴く気になり、理解も深まりやすくなると思います。
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薬剤師の接遇マナー・テクニック Q189 薬局で「問診票を書きたくない」という患者さんへの対応方法
患者さんが理解しているか、確認しながら説明を進めましょう
説明しながら、患者さんの表情や身振り手振りに注意を払い、患者さんが理解できているか確認しつつ進めることが重要です。説明の途中で患者さんに質問を投げかけたり、表情や仕草、声のトーンなどを観察したりして、説明した内容が理解されているか確かめるようにしましょう。患者さん自身が納得できるまで、言葉や資料を変えながら丁寧に説明する姿勢が欠かせません。
ここで大切なのが「傾聴」です。患者さんが不安や疑問を口にしたら、しっかり耳を傾け共感を示しましょう。話を真剣に聴くことで、患者さんは「自分の話を聴いてくれた」「不安を受けとめてくれた」と感じて安心し、信頼関係が生まれるきっかけになります。
制度変更の説明はどうしても堅苦しい話になりがちですが、笑顔を忘れず患者さんが話しやすい雰囲気づくりを心がけて、患者さんが自分の話を聴いてくれているか、興味を持ってくれているかに注意を払ってほしいと思います。それが、患者さんにわかりやすく伝える能力を伸ばしていくことにつながります。



株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
マイナビ薬剤師・連載コラムが書籍化された、
「患者さん対応のプロをめざす! 『選ばれる薬剤師』の接遇・マナー」が
2017年7月19日 同文舘出版より発売。
株式会社スマイル・ガーデン : https://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: https://smilegrdn.exblog.jp/


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